2012年08月27日

中医学でみる「月経」

今回は、女性には避けて通れないもの、「月経」の話題ですmoon3

前回同様、私事で恐縮ですが、今月は珍しく生理周期が乱れて平常より10日近く遅れました。長引く猛暑で体力が低下したためと思われますが、中医学では月経の不調をどのように捉えているのでしょうか?

 

月経は、中医学用語でも「月経」です。周期のほか、経血の色や量、質(サラサラであるか粘り気があるか)も重視します。正常な色は鮮紅色~暗紅色で、終始薄い色の出血しかない場合は血虚(貧血)が考えられます。量は基準が難しいですが、平均的には3~5日間持続し、初めと終わりが少なく中間の日が多くなります。質は薄い(ポタポタ、タラタラという感じ)のが正常で、血塊(ドロッとした塊)が出るのは血瘀によるものです。

周期は28日前後が正常ですが、これより7日以上短いのが「月経先期」で、血熱あるいは気虚により出血の制御ができなくなったものです。また7日以上長いのが「月経後期」で、血虚や寒邪により血が滞るために起こります。さらに周期が不規則になるのは「月経先後不定期(無定期とも)」といい、気血不調和と脾・腎の虚弱によるものが多いです。

一方、周期が正常でも経血量が通常より多いものを「月経過多」、少ないか期間が短いものを「月経過少」といいます。前者は「月経先期」と同じく血熱や気虚により、後者は血虚、血瘀、腎虚により起こります。

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006  

 

いつもながら専門用語が多くて分かりづらいことと思いますが、このように分類することによって、お一人お一人の原因に合わせた治療が可能になるのですwink