2012年10月20日

秋の食養生

今日は秋の土用入りですmaple 8月6日付ブログでも書きましたが、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前18日間が土用ですので、今日から18日後には立冬……早いですね~dash

さて、夏の食養生(7月9日付)と同様、秋の食養生もご紹介したいと思います。中医学では秋の気候の特徴は「燥」、つまり乾燥とされていますが、日本の場合は「秋の長雨」(秋雨前線)や台風シーズンとも重なるので、大陸とはやや異なります。しかしながら、夏に比べればぐっと湿度が下がっていますので、やはり乾燥対策は必要です。

秋は五行では、対応する五臓は(10月2日付)ですので、体の中でも特に呼吸器や皮膚への乾燥対策が中心となります。そのため秋の食養生の原則は「肺を滋養し、津液を増やして体を潤す」ことです。代表的な食物を以下に挙げます。 

 

〔秋に食べるとよい物〕 品目(五性/五味)  ※五性・五味には文献により多少の異同があります。

ピーナツ(平/甘)、ギンナン(平/甘・苦・渋)、松の実(微温/甘)、ヤマノイモ(平/甘)、サツマイモ(平/甘)、ニンジン(微温・平/甘・苦)、ダイコン(涼・平/辛〈生〉・甘〈加熱〉)、ホウレンソウ(涼/甘)、ハクサイ(涼・平/甘)、ノリ(寒/甘・鹹)、アンズ(温/酸・甘)、カリン(平/酸・渋)、ブドウ(平/甘・酸)、ミカン(平/甘・酸)、ユズ(寒/甘・酸)、イチジク(平/甘)、レモン(平/酸・甘)、ビワ(平・微涼/甘・酸)、ナシ(涼・寒/甘・微酸)、柿(寒/甘・渋)

特にピーナツや松の実、アンズ、ナシなどは空咳に効きます。果物はのどの渇きを潤す作用があり、基本的に旬のものを選ぶとよいですが、寒性のものは食べすぎると体を冷やしますので、適度に取りましょうapple

 

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食療大全,上海科学技術出版社,2006