2012年10月29日

柿の効能

今日は近畿地方に「木枯らし1号」が吹いたそうですmaple これから冬型の気圧配置の影響で、しばらく平年より寒い日が続きそうですので、皆様かぜにご注意をdanger

さて昨日は、今年初めて柿を頂きましたnote よく熟して外側が一部ジャムのように軟らかくなっていて、あっという間に1個ペロリと食べてしまいましたdelicious

今月20日付のブログで秋に食べるとよい物をご紹介しましたが、この中に柿も入っています。中医学的にどんな効能があるのか調べてみましたbook

 

〔柿〕

性味は寒性、甘味・渋味。渋味は収斂(しゅうれん)の働きがあり「固める」作用があるため、便秘や血行不良の人には不向きです。

効能は、潤肺生津(肺を潤し津液を生じさせる=咳止め)、清熱止血(熱を冷まし出血を止める)、渋腸健脾(腸を渋らせ脾を健やかにする=下痢止め)、解酒毒(アルコールの分解を促し二日酔いを防止する、ただし樹上で熟した物のみ)。

主な適応症は、肺熱による咳嗽、脾虚による下痢、喀血(肺や気管支・気管よりの出血)、血便・血尿、高血圧、痔疾など。

栄養学的には糖質(滋養作用)、ビタミンC(抗酸化・抗老化・降圧作用や抵抗力を高める作用)、タンニン(渋味成分、抗酸化・抗老化・降圧作用)、ヨウ素(甲状腺機能低下症に適応)などが豊富です。

なお寒性であるため、冷え症の人やかぜで寒気がする時、寒冷による下痢の時は控えましょう。またタンニンは酸・鉄・カルシウムと結合して沈殿しやすいので、胃酸の多い空腹時は避け、鉄分・カルシウムの多い食材と同時に食べてはいけません。サツマイモなどのイモ類も胃酸を生じやすいので、一緒に食べることは避けてください。ヨウ素を多く含むので、甲状腺機能亢進症の人も禁忌です。

ちなみに干し柿にすると寒性が和らぎ、涼性~平性になります。

 

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食療大全,上海科学技術出版社,2006