2012年11月30日

ノロウイルスにご注意

ここ数日、テレビのニュースや新聞でも報道されているのでご存じの方も多いと思いますが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行し始めているようです。今年は過去10年間で最も流行した2006(平成18)年に次ぐペースで患者が増加しており、特に九州と関西で多い傾向とのこと。例年、12月初旬から年末にピークとなるので、今後一層の注意が必要です。

ノロウイルスは冬に多発する食中毒の原因として知られますが、ヒトからヒトへの感染も多く、徹底した手洗いが第一の予防策となります。感染者の糞便や嘔吐物を直接触った場合はもちろんのこと、感染しても症状が出ない場合もあるので、トイレの後の手洗いも念入りに行いましょう。感染者の糞便や嘔吐物からウイルスが飛散し、空気感染することもあるため、それらに接触した衣服や寝具、家具などもしっかりと洗浄、消毒する必要があります。

感染すると24~48時間の潜伏期間があり、発症すると軽度の発熱と嘔吐や下痢が起こり、脱水症状のおそれもあります。通常は1、2日で治まりますが、免疫力の低下した高齢者や乳幼児では長引くこともあり、吐いた物をのどに詰まらせて窒息したり、気管に流入して誤嚥性肺炎を起こしたりして死亡する例も報告されています。

ノロウイルスについてはワクチンがなく、発症した場合の治療は対症療法に限られます。予防のためには、貝類(とくにカキ)は十分に加熱してから食べること、繰り返しになりますがトイレの後、食事の前や調理の前にはせっけんで手洗いをしっかり行うことです。

今季はRSウイルスやマイコプラズマ肺炎など、感染症がいくつも流行しています。皆様どうぞお気をつけくださいませ。