2013年02月06日

風疹さらなる猛威

昨年6月4日付と9月9日付ブログで取り上げた風疹の流行の勢いが、いまなお衰えることを知りません。今年の1月だけで、すでに平均的な年間の患者数を超えており、大流行した昨年1月の13倍にもなるそうです。特に20代~40代の男性が多いのが特徴です。

都道府県別では東京都が突出して報告数が多く、次いで神奈川県、埼玉県が続きますが、近畿では兵庫県と大阪府が増えています。風疹は例年、春先から初夏にかけて流行するので、今後さらなる拡大が懸念されます。

風疹は飛沫感染で、咳やくしゃみでうつります。不顕性感染(感染しても発病しない)も少なくないですが、発病すると赤い発疹や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。風疹ウイルスに効く薬はなく、予防にはワクチン接種しかありません。

妊娠初期の女性が感染すると、胎児に難聴や白内障、心臓疾患などの障害が出るおそれがあり、残念ながら昨年から今年初めにかけて、この「先天性風疹症候群」の新生児が6人報告されています。風疹ワクチンは弱毒生ワクチンのため妊娠中は接種できず、妊娠前でも接種後2カ月間は確実に避妊しなければなりません。過去にワクチンを接種していても、1回では免疫が十分についていないこともあるので、妊娠を希望される方は必ず検査を受けましょう。

そして、夫や同居する家族も同様です。若年層の男性に感染が多いのは、予防接種を受けていない人が非常に多いからです。ワクチンは1回1万円程度と決して安くはありませんが、大事な家族を守るため、ぜひ接種してください。