2013年02月18日

蕁麻疹(じんましん)について

前回を受けまして、蕁麻疹について解説いたしますpencil

現代医学的な分類は、①特発性の蕁麻疹(明らかな誘因がなく、毎日のように繰り返し症状が現れる)、②特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹(刺激が加わることにより現れる)、③特殊な蕁麻疹または蕁麻疹類似疾患、の三つに大別されるようです(日本アレルギー協会)。それぞれ細分化された病型がありますが、ここでは割愛させていただきます。

中医学では、蕁麻疹のことを「風疹(注・現在流行している感染症とは全く別物です)」「癮疹(いんしん)」などと呼びます。蕁麻疹の特徴は、突然現れて治ると跡形が残らないことなので、病勢の変化が早い風邪(ふうじゃ)が関係すること、またすぐに隠れることからの命名です。

主な原因は、風寒・風熱の邪気が肌腠(きそう=表皮や皮下組織のこと)の虚に乗じて侵入し、皮膚に鬱結(うっけつ=滞ること)するために起こります。また精神的抑うつや食生活の不摂生がある場合も、脾胃の機能が損傷し、気血が十分に作られないので、皮膚に潤いがなくなり発症します。

いずれのタイプであっても、発疹の色(鮮紅色か蒼白色か)や何が引き金になったか、前後の体調や随伴症状などにより、寒熱・虚実(2012年5月28日付ブログ参照)を判断して治療方針を立てます。しかしながら慢性の蕁麻疹は難治性のものが多いので、徐々には良くなっていきますが、完治までには時間がかかるものです。根気よく上手にコントロールしていきましょう、としか言えないのが心苦しいところですね。。。

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006