2013年11月11日

タマネギの効能

天気予報のとおり、今日は冬のような冷たい風が吹いて肌寒さが増してきましたspade 北日本や北陸では初雪が降ったそうで、当院でもストーブを出して冬支度ですsnow

これからの季節は鍋物や煮込みなど、温かい料理の出番が多くなりますねdelicious その中でも、シチューやスープといった西洋料理に欠かせない食材の一つがタマネギですが、この日常よく使う野菜の中医学的効能を見てみましょうsearch

 

〔タマネギ(玉葱)〕

性味は平・温、辛(生)・甘(加熱)。

効能は、温中理気(胃腸を温め気の巡りをよくする)、消食(消化を促進する)、利水消腫(利尿作用でむくみを取る)、解毒駆虫(毒素を解消し寄生虫を駆除する)、通陽(陽気を温めて通じさせる)など。

主な適応症は、食欲不振、消化不良、高脂血症、食中毒、腸炎、不眠など。

タマネギには血中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用があり、また血圧や血糖値を下げる作用もあるので、メタボリック・シンドロームに適した食材といえるでしょう。カリウムが豊富なため、その利尿作用によりむくみを解消します。タマネギの辛味成分であるアリシンは、体内でビタミンB₁と結合し、疲労回復や新陳代謝の活性化、消化の促進、食欲増進などの作用があり、さらに強い抗菌・殺菌作用も持っています。そのほか、香りが高いため精神安定の作用もあり、不眠症にも効果的です。

とくに体質は選びませんが、体を温める作用があるので、熱っぽい時や普段からのぼせやすい人は控えめにしましょう。

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 木村孟淳・御影雅幸・劉園英(共著):中国医学 医・薬学で漢方を学ぶ人のために,南江堂,2005 

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006