ようやく台風が去り、秋晴れが戻ってきました といっても、日中はまだ暖かさがあるものの、朝晩の冷え込みは増してきて、お布団のぬくもりが嬉しい季節です
16日付ブログでお月見について取り上げましたが、この時季に恋しくなってくる温かいうどんやそばにも「月見」がありますね そう、卵です
今回は日常よく食べる卵(鶏卵)について、中医学的食養生における意義をご紹介します(テーマ設定が唐突な感もありますが……個人的に気になったもので)
〔鶏卵〕
性味は平、甘。卵白が微寒(涼)、甘。卵黄が温、甘。
効能は、全卵が安五臓(五臓を補い機能を高める)、養心安神(心陰を滋養し精神を安定させる)、養血安胎(血を養い流産を防ぐ)、止痢(下痢を止める)など。卵白が清肺利咽(肺熱を冷まし咽の調子をよくする)、清熱解毒(裏熱を冷まし邪毒を取り除く)など。卵黄が滋陰養血(陰液を滋養し血を養う)、潤燥熄風(津液の損耗を滋潤し内風をしずめる)など。
主な適応症は、熱病、空咳、声枯れ、咽痛、目の充血、不眠、貧血、胎動の不安定、産後の口の渇き、下痢、自律神経失調症など。
鶏卵は栄養価が極めて高く、必須アミノ酸(※)がバランス良く含まれています。また鉄分やビタミンA・B₁・B₂なども豊富です。
生卵は消化が悪いので、胃腸の弱い人は加熱して食べましょう。卵白は固くなるまで火を通し、卵黄は半熟が消化吸収によいとされています。1日に1~2個が適量であり、それ以上食べると胃もたれを起こすのでほどほどに。
(※)イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類。
【参考文献】
梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005
木村孟淳・御影雅幸・劉園英(共著):中国医学 医・薬学で漢方を学ぶ人のために,南江堂,2005
夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006