風疹 急増中

新聞やテレビのニュースで先週から報じられていますので、ご存じの方も多いと思いますが、近畿を中心に風疹患者が急増しています。過去4年で最多だった昨年を上回る勢いで、特に20~40代の男性が多くなっています。

というのも、風疹は妊娠12週までの初期の妊婦が感染すると、胎児に「先天性風疹症候群」といって心臓病や難聴、白内障などが発生する可能性が(5割程度)あるので、国内で風疹ワクチンの接種が始まった1977(昭和52)年から1994(平成6)年までは、女子中学生のみが定期接種の対象だったのです。しかし女子のみの接種では風疹の流行を防ぐことができなかったため、1995(平成7)年からは生後12ヵ月から90ヵ月未満の男女小児と男女中学生が対象になりました。中学生男女への接種は、対象変更の際に2003(平成15)年9月までの一時的な移行措置として行われていたもので、現在は生後12ヵ月から90ヵ月未満の男女小児のみが定期接種の対象となっています。このような経緯で、現在30代後半以上の男性は定期接種の機会がなく、20~30代前半の男性も接種率が低く、これらの年代の男性で免疫のない人が多いという状況になってしまいました。

風疹は咳やくしゃみなどからの飛沫感染で、普通の生活の中でうつりますので、確実な予防はワクチンしかありません。感染した場合の主な症状は全身の発疹と発熱で、一般的に大人のほうが子どもより症状が重く、39度近い高熱が出ることもあります。子どもでも、まれに急性脳炎や髄膜炎といった重篤な症状を起こすこともあります。これらのことから、女性に限らず男性も、予防が非常に大切です。

厚生労働省研究班の調べによると、2011年に国内の患者からとった風疹ウイルス約20検体の大半がタイやフィリピン、ベトナムなど東南アジアで流行しているタイプの可能性が高かったそうです。このような地域への旅行や出張の際には注意してください。

また風疹ワクチンは弱毒生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。妊娠を希望する女性や家族は、過去の接種や感染経験で十分な免疫がついているかどうか検査を受け、必要であれば事前にワクチンを打ちましょう。

ちなみに私は、母子手帳を調べたところ昭和56年5月5日(4歳半)に接種した記録があり、親が任意接種で受けさせてくれたようですheart 現在、妊娠・出産の予定はありませんが、必要が生じれば免疫の検査をしようと思いますgood