巣立ち
ここ数日、最高気温が35度を超える猛暑日続きでバテそうです ロンドン五輪が始まって、寝不足も上乗せされておりますが、皆さまは大丈夫ですか?
前々回のブログに登場したツバメのヒナたちは、数日見ないうちに産毛が抜けて、すっかり大人っぽく(!?)なっていました
3羽いたのが2羽だけになっていたので、1羽はすでに巣立ったのでしょうか。この子たちも間もなくでしょう。無事に独り立ちし、また来年も戻ってきてくれるといいなぁと思います
ヒナたちを眺めながら、自分もがんばらなくちゃ、とツバメさんに元気を(勝手に)もらいました
2011年の平均寿命
厚生労働省が26日に発表した「平成23年簡易生命表」によると、日本人の2011年の平均寿命は女性が85.90歳で、前年を0.40歳下回り、1985年以来続いていた長寿世界一の座を27年ぶりに明け渡したそうです。男性は79.44歳で、前年より0.11歳短くなりました。1位は男女とも香港で、男性80.5歳、女性86.7歳。
昨年は東日本大震災がありましたから、当然その影響は大きいだろうと思っていましたが、前年からすでに低下し始めていたとのこと。とくに女性の場合、20代での自殺が増えたことも一因と知って、暗澹たる気持ちになりました。
いろいろなことが積み重なって、将来に希望が持てない、光が見えないような状況に陥ってしまうと、もう「死」しか考えられなくなるのでしょう。そうなる前に、誰かに苦しみを打ち明けて、何とか生きる道を探してほしい、踏みとどまってほしいと切に願います。あなたが自ら死を選べば、遺された家族や友人たちは一生、悲しみと後悔を抱え続けることになります。あなたは決してひとりではありませんと、いま悩んでいる人に伝えたいです。
暑中お見舞い申し上げます
連日、夏本番の暑さが続きますね 皆さま体調にお気をつけて、無理をなさらぬようお過ごしください。
きのう当院の入っているマンションの向かいにある「スーパー玉出」の軒下に、ツバメの巣を見つけました ヒナが3羽並んで親鳥の帰りを待っている姿が愛らしかったです
近年は建築塗料の変化により、鳥が巣をかけられない外壁が増えているそうで、そういわれれば昔に比べて見かける頻度が減っているような気もします。都会ではスズメもかなり数が少なくなっていますし、なんだか寂しいですね
人と動植物がうまく共生できる街が増えていけば、私たち人間の心にも少し余裕ができて、ストレスも緩和されるのではないかなぁ、と思います。もろもろの資源も使い方を考えないと……といっている間に、もう13時を過ぎてしまいました 節電節電
脾について
昨日から今朝にかけて、ずいぶん風が涼しく気温も下がりましたね しかし今日は二十四節気の一つ「大暑」、日中はしっかり例年並みの暑さになりました
今月9日付のブログで「夏の食養生」をご紹介しましたが、中医学では五臓のうち、飲食や消化・吸収に関してもっとも重要な役割を担うのが脾です。先月の肝と同様、その主な生理機能を解説いたします。
①運化を主(つかさど)り、後天の本である‥‥‥「運」は運転・輸送、「化」は消化・化生(ある物質から他の物質を生成する)の意味です。脾は胃が飲食物を消化吸収するのを助け、それによってできた精微物質(栄養物質)を全身に運ぶ機能があります。また肺や腎と協同して、体内の水液代謝も維持しています。「後天」とは、出生後の人体の諸状況の総称で、人間が生まれてからの栄養・生長・発育は脾胃の消化吸収機能に依存します。
②昇清を主る‥‥‥脾気が清(精微物質)を上昇・運輸することを指します。上とは心・肺のことで(※)、心肺に運ばれた栄養物質は気血に化生され、さらに全身に行き渡ります。
③生血・統血する‥‥‥脾胃が運化した精微物質は血を化生する源であり、また脾気は血液が脈外にあふれ出ないよう統轄していることを示します。脾の働きが低下すると、血液が不足して頭のふらつき・目のかすみ・顔面や口唇が淡白になるなどの血虚が生じ、また出血しやすくなるため、皮下出血・血尿・血便・不正性器出血などが起こります。
④肌肉(きにく)・四肢を主る‥‥‥脾が吸収した精微が全身に輸送されて肌肉(筋肉・軟部組織)に栄養を与え、豊満で健全にします。同様に、四肢も精微物質の栄養を受けて運動をすることができるのです。そのため脾の運化が失調すると、肌肉は痩せ四肢はだるく無力になります。
⑤口に開竅(かいきょう)する‥‥‥脾の機能は味覚・食欲と密接に関係しています。脾が虚すると食欲がなくなり、味も感じられなくなります。
⑥思を主る‥‥‥「思」は思考・思慮のことで、脾の生理機能と深い関係があります。思考活動は脾の運輸する精微が基礎的物質になっています。思慮過度や思いが遂げられない時は、気の運行を滞らせ、進行すると食欲不振や腹が張って苦しいなどの症状が現れます。
※「三焦(さんしょう)」といって、人体の臓腑を上・中・下の三つの部分に分ける考え方。上焦は心・肺、中焦は脾・胃、下焦は肝・腎・大腸・小腸・膀胱の機能に相当します。
【参考文献】
神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995
高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006
肝と同じく、ごく基本的なことのみですが、紹介させていただきました
気散じ・2
今日は難波の松竹座へ「七月大歌舞伎」を観に行ってきました 笑ったり泣いたり、気持ちもリフレッシュ
昼の部だったので、暑い盛りの時間帯にしっかり涼めて、ここのところの節電生活でできた汗疹(あせも)も少し良くなるかも 節電もほどほどにしないといけませんね。。。
冬病夏治(冬の病気は夏に治す)
今日は中国・四国地方から近畿、東海、関東甲信まで梅雨明けが発表されました 私の郷里の群馬では最高気温39度 暑さもこれからが本番です
さて私が以前、研修で訪れた中国では、この暑い盛りの時季を利用して、冬に発作が起きたり悪化したりする病気を治療しようという考え方がありました。これが今日のタイトル「冬病夏治」です。
右の2点の写真は、いずれも研修先の山東省の煙台(えんたい)市中医病院で撮影したものです。5年前の8月半ばで、ちょうど鍼推科(鍼灸・推拿〈すいな≒マッサージ〉科)でも行われていました。
「患者心得」によると、夏季「三伏(さんぷく)」の隆盛の陽気を利用する、とあります。この三伏とは初伏・中伏・末伏の総称で、 夏の酷暑の期間を指します。夏至後の第3の庚(かのえ)の日が初伏、第4の庚の日が中伏、立秋後の第1の庚の日が末伏です。今年はちょうど明日7月18日が初伏に当たりますので、「冬病夏治」を始めるのに絶好の時機です!
では具体的にどんな疾患が「冬病」に入るのでしょうか? この病院では、慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、慢性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)、リウマチ、また寒さで悪化する胃腸病や頸肩腰下肢痛などを適応症としています。
冬になると調子の悪くなる方は、この機会に鍼灸治療を積極的に受けてみてはいかがでしょう。きっと半年後には、症状が楽になっていると思います
雨の日ポイント
天気予報で雨が降るとは言っていましたが、予想以上にしっかり降っています 早めに上がるか弱まってくれるといいのですが。。。
先月から始めたポイントカードには、雨の日にプラスされる特別ポイントがあります。お足下の悪いなか来ていただくのは心苦しいので、ねぎらいの気持ちとしての粗品的ポイントです
憂うつな気分を奮い立たせて(!?)、どうぞご来院くださいませ。もちろん途中で雨がやんでも、ポイントの出し惜しみなどいたしません
節電率好調
今日は電気の検針日で、わが治療所にも今月の「使用量のお知らせ」票が来ました
テストの答案用紙を受け取ったような気持ちで見てみたら、対前年同月比-17.9%でした
患者さんのいない時はエアコンを使用せず、照明も必要最小限にし、パソコンも省エネモードに設定したのが功を奏したのでしょう
とはいえ節電期間が始まってまだ10日、この先の2カ月間も気を緩めずにがんばろうと思います
夏の食養生
昨日は風がさわやかで涼しい一日でしたが、今日は暑くなりましたね 前回の内容を踏まえて、夏バテ防止の食養生法をご紹介します。
夏の食養生の原則は、「暑・湿を取り除く」ことと、「のどの渇きや脱水状態を止める」ことです。「湿」と「渇」では矛盾しているように見えますが、前々回のブログにある便秘と下痢の例と同様、暑と湿それぞれの強さによります。また湿邪によって下痢が起これば脱水状態になることもありますし、また消化・吸収機能の低下により水分が体の中で偏在すると、おなかに水が溜まっているのに口は渇く、ということもあります。
暑ければ冷たい物を取ればいいと考えがちですが、少量なら問題なくても、過剰に取れば胃腸の機能を低下させ夏バテ・夏カゼを引き起こします(体脂肪も増えます!)。そこで、前回の「四性」のうち涼・寒の性質の物が登場です。基本的に夏に旬を迎える物、南国で取れる物は涼性・寒性であることが多いです。また平性(温熱でも寒涼でもない)であっても、熱を冷ます作用をもつ物もあります。
「五味」では酸味・甘味・苦味を中心に、鹹味も適宜足すのがよいでしょう。辛味は、冷房や冷飲食などで体が冷えたとき以外あまり必要ないので、取りすぎに気をつけましょう。以下に夏に適した代表的な食材を挙げますが、これら以外はダメというわけではなく、またたくさん食べれば食べるほどよいというわけでもありません。当然ながら温かい状態か冷たい状態か、調理法によっても若干性質が変わってきますので、バランスを考えて上手に取り入れましょう。
〔夏に食べるとよい物〕 品目(五性/五味) ※五性・五味には文献により多少の異同があります。
ぱキキュウリ(涼・寒/甘)、トウガン(微寒/甘)、ニガウリ(寒/苦・微甘)、レンコン(涼・寒/甘)、ナス(寒・涼/甘)、トマト(微寒/甘・酸)、チンゲンサイ(涼/甘・苦・辛)、タケノコ(寒/甘・微苦)、ソバ(涼/甘)、豆腐(平・涼/甘)、緑豆(涼/甘)、スイカ(寒/甘)、バナナ(寒/甘)、メロン(寒/甘)、オレンジ(寒/甘・酸)、ビワ(平・微涼/甘・酸)、マンゴー(涼/甘・酸)、パイナップル(平/甘・微酸)、スモモ(平/甘・酸)、ウナギ(平・微寒/甘)、ハモ(寒/甘)、アワビ(平/鹹)、アサリ(微寒/鹹)、コンブ(寒/鹹)ウナギ、ハモ、アサリ、 ウナギ、ハモ、アサリ、
なお、主食となる米や小麦、イモ類などは、どの季節でも適しています。飲み物は、緑茶(寒/苦・甘)やウーロン茶(涼・平/苦・甘)が夏にはお勧めです。日常よく食べる食材なら、問題になるような物はほとんどありませんが、夏はどうしても消化機能が低下しがちですので、脂身の多い肉や揚げ物、バターやクリームたっぶりの洋菓子など「こってり」メニューは控えめにしましょう
【参考文献】
梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005
夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食療大全,上海科学技術出版社,2006
食養生の基礎知識
今日も大阪ではよく雨が降っています 前回ご説明した「暑湿」の状態ですが、このような天候の変化による体へのダメージをなるべく小さくするために、養生が必要となります
中医学の養生法には、運動や食事、日常生活の過ごし方など様々な種類がありますが、いずれも「人・時・地」の三要素に基づいて方針が決まります。「人」とは個々人の年齢や性別、体質等であり、「時」は四季、「地」はその土地の地理的特徴や気候条件を指します。
今回は「人」と「地」には少々目をつぶって、「時」すなわち夏という季節に基づいた養生、なかでも実行しやすい飲食の養生についてご紹介したいと思います。……が、やはりその前に基礎知識を押さえておかねばなりません。今日はまず基本のみです↓
食材にも寒熱の性質があり、食べると体が冷えたり温まったりします。熱・温・(平・)涼・寒の「四性(しせい)」(平を入れた場合は「五性」)と呼ばれます。
またここで、五行(6月19日付ブログ参照)も関わってきます。飲食物の味覚を表す「五味」というものがあり、木・火・土・金・水に当てはめると、順に酸・苦・甘・辛・鹹(かん)です。酸はすっぱい、苦はにがい、甘はあまい、辛はからい、鹹はしおからい味です。五行に配当されるということは、自動的に五臓にも対応します(酸=肝、苦=心、甘=脾、辛=肺、鹹=腎)。これとは別に、五味にはそれぞれ異なった作用があります。
①酸‥‥‥汗や大小便などの排泄物を必要以上に排泄させない収斂作用
②苦‥‥‥体の余分な水分を排泄する燥湿作用
③甘‥‥‥痛みを緩和する作用、滋養強壮作用
④辛‥‥‥気血の巡りを良くする行気・行血作用、発汗作用
⑤鹹‥‥‥しこりやイボなど堅いものを軟らかくする軟堅作用、便秘を解消する潤下作用
以上の四性・五味は、基本的に漢方薬(中薬)の処方と同じ考え方です。これらは適量であれば望ましい効果を発揮しますが、過ぎたるはなお及ばざるがごとし、取りすぎると副作用が現れます。何事もバランスが大切です。
【参考文献】
高橋楊子・上馬場和夫(著):体質・症状・年齢別 東洋医学で食養生,世界文化社,2005
梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005
高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006
この内容を踏まえて次回、夏に適した飲食物をご紹介します