2012年06月

7月の気温

昨日の気象庁の1カ月予報によると、西日本の7月の気温は平年並みの可能性が高いそうですyacht

25日の3カ月予報で、今夏は平年より暑くなる可能性が高いと発表していたのを、修正したとのことdownwardright

去年の今頃は、6月というのに最高気温が34度とか35度という日があって異常な暑さでしたから、それを思うとうなずけますねpenguin(ちなみにその35度の日、炎天下の道頓堀まで歌舞伎役者さんたちの「船乗り込み」を見に行きましたsweat01

このままいけば、去年より楽に節電でき、計画停電も回避できるのではと思いますconfident

計画停電

きのう治療所のマンションに、関西電力から「万が一の備えとしての計画停電のお知らせ」というハガキが届きましたflair

計画停電になった場合のグループ分けの通知でしたが、もし営業時間中に停電になってしまったら、その間は休診になりますね。。。

個人でできるのは微々たることながら、せめて電気の無駄遣いをしないように心がけますbearing

熱中症対策

今日は梅雨の中休みでよく晴れましたねsun 厚手のバスタオルもスッキリ乾き、お日さまの香りですnote

しかし気になるのは今後の暑さ。去年よりいっそう節電に努めなければいけないうえ、西日本は平年より暑くなる可能性が高いそうです。

そうなると、熱中症に対する注意がとりわけ必要になってきますwobbly 熱中症とは、体温が上がっても汗が十分に出ず、そのために熱を外に逃がすことができずに体の中心部の体温(深部体温)が上がりすぎてしまった状態です。

日本救急医学会「熱中症に関する委員会」の報告によれば、記録的な猛暑となった2010年の6~8月、全国94救急医療施設に熱中症で救急搬送された患者数を10日ごとに区切って調べたところ、7月21日~31日が最も多く、重症者・死者の割合も特に高かったようです。この時期は梅雨明け直後で、まだ体が暑さに慣れていない状態で猛烈な最初の熱波を迎えたために、患者が急増してしまいました。その後も第2、第3の熱波が来ましたが、第1波の時ほどは患者も死亡者も多くなかったそうです。

今年は一昨年ほどの酷暑にはならないでしょうが、今のうちから体を暑さに慣らす(暑熱順化といいます)ために、朝夕の涼しい時間帯にウォーキングをしたり、軽く汗をかく程度の運動を毎日の生活に取り込みましょうshoe

また運動後30分以内に牛乳や乳製品をとると、体内の血液の量が増加して発汗しやすくなり、体温調節機能の改善効果が上がるそうですよupwardright

肝について

遠回りしましたが、6月14日のブログで触れた「肝」について解説いたしますspade

中医学では肝・心・脾・肺・腎をまとめて「五臓」と呼びます。この「臓」とは、いったいどんな概念でしょうか。

人体の臓腑の生理機能と病理変化およびその相互関係は「臓象学説(蔵象学説)」に示されています。この学説は、古代の解剖の知識に基づいて臓腑・器官・組織を命名し、長期間の観察や数多の臨床経験により総合的な分析を加え、それぞれの生理機能を推測して導かれたものです。中医学でいう臓腑とは、単に解剖学的な臓器を指すだけでなく、その果たす機能とそこに現れる病理変化をも含んだ概念なのです。

臓象学説では、五臓とは人体の生命活動の中心であり、精神や意識の活動は五臓に帰属するものと見なされます。五臓に六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)が協力することによって人体の各組織器官は繋がれ、1個の統一された総体が構成されるのです。

その五臓の一つであるの主な生理機能は以下のようになります。

①疏泄(そせつ)を主(つかさど)る‥‥‥「疏」は疏通、「泄」は昇発(上昇・発散)・宣泄の意味です。肝は全身の気の巡りを良くし、のびやかにさせます。この機能が異常になると、胸や脇腹が張って痛んだり、胃腸の具合が悪くなったり、精神的にイライラあるいは抑うつ状態になったりします。

②血を蔵す‥‥‥肝は血液を貯蔵し、人体各部の血流量を調節する機能を持ちます。この機能の異常には「肝血不足」(虚)と「肝不蔵血」(実)があります。虚の場合は、目の乾燥やかすみ、筋肉のひきつり、四肢のしびれ、女性では月経血量の減少・無月経などが起こります。実の場合は、吐血、鼻出血、月経過多、不正性器出血などの出血傾向が現れます。

③筋を主る‥‥‥「筋」とは筋膜や腱・靭帯のことで、関節の運動をコントロールする組織です。筋は肝血の滋養作用によって維持されます。もしこの肝血が不足すると、筋力が衰え、筋肉のひきつりや手足の震え・しびれなどを引き起こします。

④目に開竅する‥‥‥肝の機能は目に反映されます。肝は蔵血を主り、肝の経脈(気血が運行する通り道)は目に上るので、視力は主に肝血の滋養に依存しているのです。②と同様に、虚実それぞれの異常により症状が現れます。虚ではかすみ目や夜盲、実では目の充血・腫脹・疼痛などが起こります。

⑤怒を主る‥‥‥肝は「五志(怒・喜・思・憂・恐)」の中の「怒」と強い関連性があります。人が強い怒りを覚えると、気血が上逆(のぼせる意)し、めまい・頭痛・顔面紅潮・目の充血などの症状が現れます。この症状は、肝が疏泄機能を失ったときの病理変化に似ているので、「怒」は肝に帰属すると考えます。

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995 

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006

 

いつもながら「ざっくり」した解説で恐縮ですが、このような中医学の奥深さに改めて感じ入りますcatface

 

中医学の基礎知識・2

今回は五行について解説いたしますpaper

五行の「五」とは「木・火・土・金・水」という5種の物質で、「行」は運動のことです。世界のあらゆる事物・事象が、この5種の基本物質の間で生じる運動と変化によって生成されるという考え方が五行学説です。これらの基本物質には、各々特有の性質があります。

中医学では、この五行を人体の臓腑器官に当てはめ、肝・心・脾・肺・腎をそれぞれ木・火・土・金・水に配当して「五臓」と呼んでいます。

また、五行における運動と変化の基本的な法則を「相生・相克」といいます。「相生」は相互助長・相互促進の作用で、木生火(木は火を生じる)、火生土、土生金、金生水、水生木という関係になります。五臓に当てはめると、肝生心、心生脾、脾生肺、肺生腎、腎生肝です。「相克」は相互抑制・相互制約の作用で、木克土(木は土を克する)、土克水、水克火、火克金、金克木という関係になります。五臓に当てはめると、肝克脾、脾克腎、腎克心、心克肺、肺克肝です。

このような相生・相克の作用によって、五行・五臓はお互いに補い合ったり、過剰を抑えたりしてバランスを保っています。そのバランスが崩れると、病的な状態が起こってきます。

【参考文献】

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006 

 

前回と今回の内容を踏まえて、次回に「肝」の解説をいたしますclub

中医学の基礎知識・1

「肝」の解説をする前に、まず中医学の理論体系の基本となる「陰陽学説」と「五行学説」からご説明しましょうclover

陰陽学説と五行学説は、いずれも元は中国古代の哲学理論ですが、古人が医療に取り入れて、人体の生理機能を把握したり、診断・治療の指針としたり、独特の発展を遂げました。両者を併せて「陰陽五行学説」と呼ぶこともあります。今回は陰陽学説をご紹介します。

 

陰陽は、世界のあらゆる物事や現象を陰と陽に分類する考え方です。たとえば陰に属するのは寒冷・下降・静止・衰退などで、陽に属するのは温熱・上昇・運動・亢進などです。この両者は対立したり消長したりしますが、あくまで相対的なものであり、純然たる陰や純然たる陽は存在しません。相互に対立しながらも相互に依存する関係です。陰の中にも陽が含まれますし、陽の中にも陰が含まれます。

道頓堀.JPG←これは夜の道頓堀です。夜は陰に属しますが、明るく照らされた看板は陽です。夜の闇と比較した場合、この看板は陽といえますが、看板のみで見ると、社名のある上部は陽(陽中の陽)、ランナーの足がある下部は陰(陽中の陰)となります。看板の表面においても、照明のついている部分は陽ですし、ついていない部分は陰です。

このように、陰陽はどこまでも細かく分類できます。ちなみに夜が明けて日が昇れば道頓堀は陽となりますし、看板の照明が消えれば陰です。陰の看板の上部は陽(陰中の陽)、下部は陰(陰中の陰)。。。きりがありませんね。

〔中医学での応用例〕

人体では腹が陰、背が陽。(←動物のように四足の姿勢になった時、太陽の当たる背中が陽、当たらない腹部が陰という考えからです。)/寒熱では寒が陰、熱が陽。/気血津液では気が陽、血と津液が陰。(←形のある物質は陰、形のない機能は陽という考えからです。)/臓腑では臓(実質器官)が陰、腑(中空器官)が陽。 

 

ごく大雑把な説明になりましたが、実際の診断・治療においては、「陰陽の調和」を重視します。どちらかに偏っていれば、相対的な平衡を保つように、過剰なものは減らし、足りないものは補うようにします。熱があれば冷まし、冷えがあれば温め、停滞したものは動かし、動きすぎているものは本来の居場所に戻します。

 

次回は五行について。soon

気散じ

昨日は午後、趣味の落語を聴きに行ってきましたear 笑うとストレス発散になりますねnotes

ストレスのたまった状態は、中医学でいうところの「気滞」に属します。「気鬱」「気結」という言い方もありますが、いずれも読んで字のごとく、気の滞った状態、うまく動いていない状態です。「気散じ」とはよく言ったもので、結ぼれて滞ったものがパッと散り、流れが良くなる感じがします。

さて気滞の原因には、運動不足や暴飲暴食などもありますが、臨床でよく見られるのは精神的なストレスによるものです。これは五臓の一つ「肝(かん)」が密接に関わっています。

以前、寒熱・虚実、気・血・津液についてご説明しましたが、この「五臓」も中医学の診断・治療に欠かせない考え方です。次回、「肝」について解説いたしますup

肩こり製造機

今年に入ってから副業で、鍼灸学校の先生方がされている学術論文のデータベース作りを手伝っていますpc

パソコンでたくさんの論文を読みながらチェックリストを作っていくので、目は疲れるわ、肩はこるわ、、、sweat02

誰かが「パソコンは肩こり製造機だ」というようなことを言っていましたが、まさにその通りだと思いますsign01

人類史上、これほど人間に同じ姿勢を長時間強要するものはなかったそうで。でも使わないわけにはいきませんから、適度に休息やストレッチなどを入れながら、上手に付き合うとしましょうthink

梅雨時の体調管理

今日は近畿を含む西日本と東海地方が、一気に梅雨入りしましたねsnail

これから湿気の多い季節ですが、中医学ではこの「湿気」も、病気の原因の一つと考えています。

気候の変化が急であったり異常であったりすると、体調を崩すことは日常よく経験しますが、中医学ではこれを外界からもたらされる病因=「外因」によるものととらえ、「外感病」と呼びます。外因には「六淫(ろくいん)」と「疫癘(えきれい)」とがあり、前者は「風・寒・暑・湿・燥・火」という6種類の気候的要素で、後者は伝染病の病原体に相当します。

六淫にはそれぞれ特徴があり、病気を引き起こす時には「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」などと「邪」をつけて呼ばれます。一つ一つ説明していると長くなりますので、ここでは「湿邪」のみ取り上げましょう。

湿邪の性質は重濁・粘膩(ねんじ=粘っこい意)で、頭や足腰などが重だるくなったり、胸がつかえたような苦しい感じが起こったりします。しかも一度停滞すると、なかなか取り去ることができません。また、その重いという性質から体の下部に向かいやすく、下肢のむくみもよく引き起こします。内臓では消化器系にもっとも影響が出やすく、胃もたれや食欲不振、下痢などの症状が現れます。

日常生活の対処としては、消化の悪い食物を避け、体をこまめに動かして、気血の流れが停滞しないように心がけましょう。もちろん過労にならないよう、疲れたら休養をとり体力を衰えさせないことも、外邪から身を守る必須条件ですconfident

 

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006 

ポイントカードのご案内

先週末から導入したポイントカードについて、ポイント付加のルールやご利用方法を記載した案内チラシを仮発行しましたが、当サイトに掲載した内容に基づいて、改訂版を本日作成いたしましたnew

すでに仮チラシをお渡しした方には、次回来院いただいた際に新しいものを差し上げますpaper

しかしお手頃価格のプリンターのせいか、印刷にえらい時間がかかりました。。。