献血の検査成績・4
先週行った献血の検査成績が届きました
いつもと変わらず、すべて標準値内です
今回は採血中、ベッドごとに設置されたテレビで高校野球の決勝戦を見ていたせいか、珍しく採血前より後のほうが、血圧が少し上がっていました
(故郷・群馬県代表の前橋育英が優勝したもので
)
先週末から朝晩だいぶ涼しくなり、体も楽になってきましたが、案外こんなとき溜まった疲れが出て体調を崩しやすいものです
まだまだ日中は暑い日もありますから、水分補給を忘れず、無理しすぎないように過ごしましょう
口腔アレルギー症候群(OAS)
前々回のブログ「西瓜の効能」で果物のアレルギーがあると書きましたが、今回はそれについて少し詳しく解説いたします
この病態は「口腔アレルギー症候群」(OAS:oral allergy syndrome)といい、原因食物が口腔粘膜に接触することでアレルギー反応が引き起こされるもので、花粉症に合併します。主な症状は唇や舌、のどなどの痒みや腫れ、ピリピリ感です。重症になると嘔吐や下痢、じんましん、アナフィラキシーなどの全身症状を伴うこともあります。食物アレルギーの一種ですが、主に乳幼児や小児で発症する鶏卵や乳製品、小麦などのアレルギーとはタイプが異なります。
OASは、主に成人の花粉症患者の一部に発症し、原因となる花粉のアレルゲンとよく似た構造のアレルゲンをもった食物(果物・野菜・ナッツ類)にも反応してしまい、食物アレルギーを起こすのです。ハンノキ、シラカンバ(ともにカバノキ科)花粉症での罹患率が最も高く40~50%、スギ花粉症でも10%と報告されており、ほかにカモガヤ(イネ科)、ブタクサ、ヨモギ(ともにキク科)花粉症やラテックス(ゴム)アレルギーでも発症します。
原因となる食物は、リンゴやサクランボ、桃、梨などバラ科の植物、メロンやスイカ、キュウリなどウリ科の植物、小麦やトウモロコシなどイネ科の植物があります。ヘーゼルナッツ(カバノキ科)やピーナッツ(マメ科)、アーモンド(バラ科)などのナッツ類やキウイフルーツ(マタタビ科)などもよく原因となります。シラカンバ花粉症では主にバラ科、ブタクサ花粉症では主にウリ科のものでアレルギー反応が出やすいですが、それぞれで共通する食物もあり、はっきりとは分けられません。症状の出方にも個人差があります。
なおOASに根治法はなく、花粉症を抑える抗ヒスタミン剤による対症療法以外は、原因となる食物を避けるしかありません。症状が出ても「好きだから」と食べ続けると、症状が悪化したり、アレルギーを起こす食物の種類が増えたりする可能性もあります。
【参考文献】
福冨友馬:成人の食物アレルギー――発症の本当の原因は食物とは限らない.日本医事新報,2012.2.4
高山敦子:体とこころの通信簿・口腔アレルギー.朝日新聞(夕刊),2012.12.17
〔WEB〕
ファディア株式会社(Phadia),佐橋紀男(監修):OAS口腔アレルギー症候群 関連する原因花粉の植生と食物
CRCグループ:よくある検査のご質問・口腔アレルギー症候群(OAS)の検査は何をしますか?
一般社団法人 北海道薬剤師会:口腔アレルギー(OAS)
私自身は、自覚的には花粉症ではないと思っていましたが、上記のような症状にピッタリ当てはまっているので、どうやら花粉症のようです
(しかも原因となる食物が多種にわたるので、複数の種類の花粉症かと……)
西瓜の効能
もう8月も下旬というのに、今頃やっと今夏初めてのスイカを食べました
おすそ分けで数切れもらっただけですが、一人暮らしだとなかなか大きな果物は買わないので、少量でもとても嬉しいです
ところが、私は20歳ごろから果物のアレルギーを発症しており、子どもの時分には食べられたのに今はまったくダメ、というものが何種類かあります
どうやらスイカもその範疇に入るようで、食べている最中は美味しかったものの、食べ終わってから唇やのどがピリピリしてきました(泣)
それはさておき、日本の夏の定番ともいえるスイカ(西瓜)について、中医学的な分析をしてみましょう
〔西瓜〕
性味は寒性、甘味。
効能は、清熱解暑(暑気でこもった熱を収める)、除煩止渇(イライラと咽の渇きを改善)、利小便(強い利尿作用)など。
主な適応症は、暑気あたり、小便が出にくい、口渇、咽喉痛、口内炎、高血圧など。
今月6日付のブログでご紹介した茄子と同様、胃腸を冷やす性質のため、冷え症や胃腸虚弱の人、あるいは一日中冷房の効いた所にいて体が冷えきっている時などには向きません。基本的に体が熱っぽい時に食べるもの、と考えると間違いがないでしょう
【参考文献】
梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005
夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006
終戦の日
去年の今日も同じテーマでブログを書きましたが、今年もやはり大切な日なので書かせていただきます
今日も例年どおり「戦没者追悼式」の中継に合わせ、正午の黙祷をしました
昨日は豊中の実家へ(よりによって全国最高気温になった日に…)帰り、家族と夕食を共にしました
特別変わったことは何もなかったのですが、身の安全が脅かされるようなこともなく、平穏に過ごせるありがたさを改めて実感したところです
明日からまた普段の日常に戻りますが、このような気持ちをこの時期だけのものとせず、折々に思い出せるような心がけで生活していきたいと思います
茄子の効能
明日は早くも立秋、連日の猛烈な暑さも明日からは「残暑」です
今日は立秋の前日なので節分に当たりますが、これは去年も書きましたので詳しくはそちらをご覧ください
久々の食養生シリーズ、今回は夏にピッタリの野菜である茄子を取り上げます
(←単に先日食べたからというだけの理由ですが…)
〔茄子〕
性味は寒・涼性、甘味。
効能は、清熱解毒(体にこもった熱を冷まし邪毒を取り除く)、活血消腫(血流の停滞をなくし熱っぽい腫れを解消する)など。
主な適応症は、発熱、食欲不振(とくに夏季)、痔、口内炎など。
夏バテ解消に適していますが、冷やす性質が強いので、冷え症の人や胃腸がもともと弱い人は控えめにしましょう。食べる時に、温熱性のショウガやコショウ、トウガラシなどを加えて調理すると、茄子の寒涼性が緩和されます。また夏以外は、あまり多量に食べないほうがよいです。
「秋茄子(あきなすび)嫁に食わすな」といいますが、妊婦さんの場合、子宮を冷やして胎児の発育に差し障ることもありますので、なるべく避けたほうがよいでしょう。
【参考文献】
梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005
夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006