2012年11月

ノロウイルスにご注意

ここ数日、テレビのニュースや新聞でも報道されているのでご存じの方も多いと思いますが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行し始めているようです。今年は過去10年間で最も流行した2006(平成18)年に次ぐペースで患者が増加しており、特に九州と関西で多い傾向とのこと。例年、12月初旬から年末にピークとなるので、今後一層の注意が必要です。

ノロウイルスは冬に多発する食中毒の原因として知られますが、ヒトからヒトへの感染も多く、徹底した手洗いが第一の予防策となります。感染者の糞便や嘔吐物を直接触った場合はもちろんのこと、感染しても症状が出ない場合もあるので、トイレの後の手洗いも念入りに行いましょう。感染者の糞便や嘔吐物からウイルスが飛散し、空気感染することもあるため、それらに接触した衣服や寝具、家具などもしっかりと洗浄、消毒する必要があります。

感染すると24~48時間の潜伏期間があり、発症すると軽度の発熱と嘔吐や下痢が起こり、脱水症状のおそれもあります。通常は1、2日で治まりますが、免疫力の低下した高齢者や乳幼児では長引くこともあり、吐いた物をのどに詰まらせて窒息したり、気管に流入して誤嚥性肺炎を起こしたりして死亡する例も報告されています。

ノロウイルスについてはワクチンがなく、発症した場合の治療は対症療法に限られます。予防のためには、貝類(とくにカキ)は十分に加熱してから食べること、繰り返しになりますがトイレの後、食事の前や調理の前にはせっけんで手洗いをしっかり行うことです。

今季はRSウイルスやマイコプラズマ肺炎など、感染症がいくつも流行しています。皆様どうぞお気をつけくださいませ。

年賀ハガキ到着

プリンターのメーカーでインクと年賀ハガキのお買い得セットがあったので、昨日注文したら今日の午後には届きましたsoon

今年はたくさんの患者さんにお越しいただき、用意するハガキの枚数も去年の3倍ほどに増えましたup(というか、去年が少なすぎたのですが……sweat01

年賀状は毎年パソコンで自作しますが、いちばんの悩みはプリンターの印刷速度の遅さですsad 値頃品を選んだため仕方ないとはいえ、今年はどれだけ時間がかかるだろうかと、今から嬉しい悲鳴がsign02

喪中の方がいらしたら、失礼をお許しくださいませ。

誕生日プレゼント

私事で恐縮ではありますが、実は今日が誕生日でしたbirthday 友人、知人から「おめでとう」メールやプレゼントなどを頂き、独りじゃないんだなぁと喜びをしみじみ感じますcatface

しかも今日は朝一番で新患さんも来てくださり、二重のプレゼントのようでしたpresent これからも精進いたしますので、皆さま今後ともよろしくお願いいたしますribbon

連休いただきます

明日は定休日、明後日は祝日(勤労感謝の日)ということで、久々の連休を取らせていただきますclover

特別な予定はないのですが、片づけをしたり実家に顔を出したり、のんびり過ごそうと思っていますcat

かぜもまだ治りきっておらず、ときどき咳が出るので、この機にしっかり養生しておくとしましょうjapanesetea

新患さん

昨日は終日の雨にもかかわらず次々と患者さんが来てくださり、うっかりブログの更新を忘れておりましたdown

そのうちお2人は新規の患者さんで、お足下の悪いなか初めての場所に来ていただくのは、本当にかたじけない気持ちになりますsweat01

もちろん、普段から通院いただいている方にも大・大感謝ですsign01 たくさんの患者さんたちに育てられ、支えられている杏花鍼灸院ですchick

「お客様の声」更新

昨日「お客様の声」にまた1件追加いたしましたnew 一昨年まで勤めていたクリニックで治療させていただいた方で、開業当初から通院してくださっています。

95歳というご高齢にもかかわらず、とてもお元気で、今も電車を乗り継いでお一人で来院されますsign01 そのお姿に、私のような若輩者が小さなことで落ち込んでいる場合ではないな、などと内心励まされることがしばしばです。

人生の大先輩、これからも少しでもお役にたてるよう誠心誠意、治療に当たらせていただきますup

祇園でうなぎ料理

祇園.JPG昨夜は京都・祇園で、十数年来ひいきにしている歌舞伎役者さんのお食事会へ行ってきましたshine 朝からあいにくの雨でしたが、京都に着いたころには幸いほぼ止んでいましたsprinkle      〔写真は花見小路の入口→〕

会場は「江戸前うなぎと京おばん菜割烹」のお店で、久々に贅沢をいたしましたcoldsweats01 秋の土用(立冬の前の18日間)も過ぎ、丑の日でもありませんが、うなぎは精がつくので、かぜの治りかけには持って来いかもしれません。ここで、うなぎの食養的知識を。

 

〔鰻〕

性味は平(微寒)性、甘味。

効能は、補虚益血(気血を滋養する)、祛風湿(足腰の重い痛み・しびれに効く)。

主な適応症は、羸痩(るいそう=疲れてやせること)、肺炎や肺結核による空咳、煩躁(はんそう=情緒不安定でイライラすること)、食欲不振、神経衰弱など。

栄養学的にはタンパク質、脂肪、カルシウム、ビタミンA・D、DHA、EPAなどが豊富です。カルシウムとビタミンDは骨粗鬆症の予防に、ビタミンAは視力の改善やかぜ予防に、DHAとEPAは動脈硬化の予防にそれぞれ役立ちます。

栄養は豊富ですが消化しにくいため、胃腸が弱い人や消化不良を起こしている時は控えめにしましょう。タンパク質が多いので、腎臓の働きが低下している人も控えたほうがよいです。また胎児の障害を引き起こす恐れがあるため、妊婦の人は食べないようにしてください。

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006

 

やはりたまにしか食べないようなものは、ほどほどが良いようですね。今日からまた普段どおりの粗食に戻りますriceball

のど痛

昨日から軽い咽頭痛、いわゆる「のどかぜ」になってしまいましたdownwardright 朝晩冷えたり、雑事を詰め込みすぎて疲れが出たようです。

自分でお灸をして、今夜は体が温まる物を食べて早めに寝るとしましょう(一応そのつもり…)night かぜの時は睡眠が一番の薬ですsleepy

皆さまもどうぞご自愛くださいませjapanesetea

心について

さて、五臓の解説で最後の一つとなりました(しん)について、その主な生理機能をご紹介しますheart02

五行では火に属し、現代医学でいう心臓と重なる部分もありますが、また中医学特有の考え方も含まれます。心は人体の生命活動の一切を統帥し主宰することから、一国の君主になぞらえ「君主の官」と呼ばれますcrown

 

①血脈を主(つかさど)る‥‥‥心が脈管内で血液の運行を推し進める機能を示します。「血脈を主る」とは「血」と「脈」の両面が含まれています。「血を主る」には二つの意味があり、一つは血の生成で、脾胃が運化した(運び作った)水穀の精微(栄養物質)を心の温める作用によって血に作り変えることであり、もう一つは血の運行で、心気の推し進める作用によって全身を絶え間なく循環させることです。「脈を主る」にも二つの意味があり、一つは心の拍動によって脈管内で血が運行すると同時に心と経脈が連結していることを指し、もう一つは心気が暢達して(のびのびして)はじめて脈動が通じることです。つまり、心が全身の脈管内の血液運行をコントロールしているのです。 

②神明(しんめい)を主る‥‥‥「神明」は精神・意識・思惟などを指し、心が精神思惟活動を主宰していることを示します。「心は神を蔵す」ともいわれます。心の機能が正常で気血が充実していれば、意識は明瞭で思考も鋭敏です。心の病変では精神・意識・思惟活動が異常になり、焦燥感・驚きやすく動悸がする・睡眠が浅く夢が多いなどの症候が現れ、重篤になると昏睡・昏迷などの意識障害や認知障害・幻覚・精神異常などが起こります。

③舌に開竅(かいきょう)する‥‥‥「舌は心の苗たり」ともいわれます。舌は五臓のいずれとも関連がありますが、心との関係が特に密接です。それは心経の脈絡が上行して舌に連なるからであり、心の気血が舌体の色沢と形態を保持するとともに生理機能を発現させるので、舌を観察することにより心の状態を知ることができます。心の機能が正常であれば、舌質(舌の色や形態)は紅く潤いがあり、柔軟でよく動き、味覚も敏感で、言葉が滑らかです。心の失調があると舌の色調が変化したり、動きや味覚に異常をきたします。

④喜を主る‥‥‥心の生理機能は五志(怒・喜・思・憂・恐)のうちの「喜」と深い関連があります。喜は一般的にいえば血脈を主るという心の生理機能にとって有益ですが、喜楽が過度になると心神を損傷することになります。心気の異常が甚だしいと喜笑が止まなくなり、逆に心気が不足すると悲傷しやすくなります。ただし、心は「神明を主る」ので、五志のいずれが過度になってもすべて心神を損傷します。

不眠(失眠)について‥‥‥中医学では不眠の原因を心身疲労やストレス、飲食の不摂生などいくつかの原因に分類していますが、それらによって心が養われなくなることにより睡眠障害が起こると考えています。

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006  

 

今回で一応、五臓すべての解説をさせていただきました。実際の臨床では、それぞれの臓腑が単独で病を発生させることは少なく、ほとんどは複数の臓腑が関連しあって様々な症状を引き起こします。一つ一つの症候をよく観察・問診して、原因がどこにあるのか、おおもとは何なのかを考察しながら治療を進めるわけで、一生勉強が必要な学問であることを痛感しますcoldsweats01

仮眠・睡眠

このところ用事が立て込んで寝不足気味だったせいか、今日は昼下がりに居眠りをしてしまいましたgawk 近年の研究で、15~20分程度の昼の仮眠は午後の作業効率を高め、健康にも良いといわれていますが、私は30分以上うとうと。。。でもスッキリしましたup

中医学では、睡眠にもっとも重要な役割を果たす臓腑はですheart01 ほかにも肝や脾、腎などもかかわってきますが、最終的には心の状態が睡眠の質の良しあしを決定します。これまで肝・脾(・胃)・腎・肺と解説してきましたが、五臓のうち残る一つ「心」について、次回ご紹介いたしますsoon