梅雨時の体調管理

今日は近畿を含む西日本と東海地方が、一気に梅雨入りしましたねsnail

これから湿気の多い季節ですが、中医学ではこの「湿気」も、病気の原因の一つと考えています。

気候の変化が急であったり異常であったりすると、体調を崩すことは日常よく経験しますが、中医学ではこれを外界からもたらされる病因=「外因」によるものととらえ、「外感病」と呼びます。外因には「六淫(ろくいん)」と「疫癘(えきれい)」とがあり、前者は「風・寒・暑・湿・燥・火」という6種類の気候的要素で、後者は伝染病の病原体に相当します。

六淫にはそれぞれ特徴があり、病気を引き起こす時には「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」などと「邪」をつけて呼ばれます。一つ一つ説明していると長くなりますので、ここでは「湿邪」のみ取り上げましょう。

湿邪の性質は重濁・粘膩(ねんじ=粘っこい意)で、頭や足腰などが重だるくなったり、胸がつかえたような苦しい感じが起こったりします。しかも一度停滞すると、なかなか取り去ることができません。また、その重いという性質から体の下部に向かいやすく、下肢のむくみもよく引き起こします。内臓では消化器系にもっとも影響が出やすく、胃もたれや食欲不振、下痢などの症状が現れます。

日常生活の対処としては、消化の悪い食物を避け、体をこまめに動かして、気血の流れが停滞しないように心がけましょう。もちろん過労にならないよう、疲れたら休養をとり体力を衰えさせないことも、外邪から身を守る必須条件ですconfident

 

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006