蒸し暑さ

梅雨空が復活し、大阪は昨夜から蒸し暑いですねsweat02 節電期間が始まったばかりなので、自宅ではエアコンを使わずに頑張ったものの、早くも夏バテしそうですdown

 

6月8日のブログで「湿邪」について書きましたが、この「湿」は同じ「六淫」のうち「風」「寒」「暑」とそれぞれ結びついて、「風湿」「寒湿」「風寒湿」「暑湿」といった複合の邪となります。高温多湿の日本の夏は、暑湿による体調不良が多く見られます。

暑邪は読んで字のごとく暑さを表し、同じく六淫の「火」と併せて温熱の邪気に分類されます。火は暑より熱性の極まったもので、外来のものと内生のものとがありますが、暑は純粋の外邪で、発病には夏季という明らかな季節性があります。主な症状として頭痛・発熱・口の渇き・胸苦しさ・多汗などがあり、また暑邪は気や津液(5月28日のブログを参照)を損傷しやすいので、疲労・倦怠・多飲(とくに冷たい飲み物)・便秘・尿が濃くなる等の症状も伴うことが多いです。

暑邪は湿と絡みやすい性質があるため、上記の症状とともに湿による症状も現れます。すなわち体が重だるい、頭が包まれたように重い、みぞおちや胸がつかえる、吐き気・嘔吐、下痢してすっきり出ないなどです。

※便秘と下痢の両方があるのは一見、矛盾しているように思われるかもしれませんが、その時々で暑邪と湿邪のどちらがより優勢であるかの違いであると考えてください。また津液が少なくなると便秘になります(5月30日のブログ中「①熱秘」の状態)が、のどが渇いて冷たいものをガブガブ飲めば下痢することもありますねshock

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006