寒邪について

12月に入るなりぐっと冷え込んで、気候が一気に冬本番になりましたsnow 今日は日中暖かくなりましたが、この冬は例年より寒くなるようで、今からしっかり防寒対策をしておかなければなりませんねspa

以前取り上げたことのある「六淫」(風・寒・暑・湿・燥・火、6月8日付ブログ参照)のうち、今の時季に主となるものは、言うまでもありませんが「寒邪」です。ふだん私たちが生活の中で感じる「寒さ」とほぼ同じ感覚で捉えていただけるものですが、中医学独自の考え方もあります。

寒邪は人体の陽気を損傷して、その働きを低下させ、気に伴って血も滞るため、「気滞血瘀(きたいけつお)」という状態になりがちです。9月25日付「頭痛の分類(東洋医学編)」でも触れた「不通則痛」、通じなければ痛みが生じるという法則により、寒邪に侵襲されると体のどこかに痛みが出現したり、筋肉のひきつりが起こったりします。六淫のなかで、疼痛疾患にもっとも関連が深いのが寒なのです。

なお寒邪による痛みは、温めると軽くなり冷やすとひどくなるという特徴がありますので、そのような場合は当然、冷やさないように気をつけてくださいjapanesetea

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006