杏花鍼灸院ブログ

緑内障の市民講座

市民講座.JPG今日はお昼で仕事を終えた後、梅田へ市民公開講座を受けに行ってきましたtrain 世界緑内障週間(今年は3月10~16日)に合わせた特別講演で、大阪では初めての開催だったそうですnew

患者さんの中に緑内障の方もいらっしゃるので、自分の知識を補うために参加してきましたが、最新の情報を分かりやすく解説してくださり、よく頭に入りましたgood

講演をされたのが東北大学の先生だけあって、東日本大震災の時の眼科医の取り組みについても紹介され、たいへん興味深いお話でしたeye

中医学でも緑内障は「緑風内障」といって、鍼灸や漢方(中薬)の治療対象となっています。すでに欠けてしまった視野は戻りませんが、鍼によって眼圧が下がったり血流が改善したりして、緑内障の進行を遅らせることが可能です。

治療の開始が早ければ早いほど悪化を防ぐことができる病気ですが、両目で見ていると症状に気がつきにくいため、定期検診や他の眼疾患で受診した際に見つかることが多いようです。日本人の失明原因の第1位となっていますから、少なくとも40歳を過ぎたら、特に自覚症状がなくても定期的に眼科の検診を受けましょうsign01

胡麻の効能

昨日、一昨日と忙しく、ブログの更新ができませんでしたdown 昨日は祖父の葬儀から帰ってきた母が、東京土産に黒ゴマのお菓子をくれましたbullettrain 最近体調を崩しやすいので、栄養豊富なゴマ(胡麻)は嬉しい素材ですが、中医学的にも優れた作用がありますshine

 

〔胡麻〕

性味は平、甘。

効能は、補血明目(血を補い目の疲れを解消する)、潤腸通便(腸を潤し便通を良くする)、生津通乳(津液を作り母乳の出を促進する)、補肝腎(肝と腎の機能を高める)、養髪(頭髪を滋養する)など。

主な適応症は、身体虚弱、貧血、乾燥肌、便秘、産後母乳の出が悪い、若白髪、めまい、耳鳴りなど。

栄養学的には、リノール酸(不飽和脂肪酸)、必須アミノ酸、ビタミンE、ビタミンB₁、カルシウム、鉄分などが豊富です。主体が油分なので、一度にたくさん取ると胃もたれしたり、またアレルギー症状を悪化させたりすることもあるので、体に良いとはいえ少量ずつ取るようにしてください。便通を良くする作用もあるため、もともと下痢傾向の人には不向きです。

なお、胡麻には白胡麻と黒胡麻とがありますが、効能は大体同じです。ただ五行の色体の関係から、白胡麻は肺に、黒胡麻は腎に、特に関係が深いという考え方もあります。

【参考文献】

  梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

  夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006 

心静かに

明日で東日本大震災から丸2年になります。当時はまだ開業して3ヵ月目のころで、もうそんなに経ったのかという感じです。

さて私事ですが3日前、郷里の群馬に住む父方の祖父が96歳で亡くなり、今日お通夜で明日が告別式ということになりました。遠方であり仕事もあるため私は行けず、両親が参列します。亡くなる当日の朝、ふだん祖父を見ている伯父から「いよいよかも」と電話があり、父が大阪から駆けつけたその晩に息を引き取ったそうです。息子たちに見守られて、よい最期だったのではないでしょうか。

今日と明日は震災のことと祖父を偲んで、心静かに、穏やかに過ごしたいと思います。

花粉症にもオススメ

今日は本当に暖かくなりましたねcat 出かけるとき、今年初めてスプリングコートを着て、紫外線も強くなってきたのでサングラスも着用eyeglass すでに日傘を差していた人もいましたsun

花粉症の方にはツライ季節でもあり、マスクや花粉防御用のメガネなど、皆さんいろいろと対策をされていますrock 鍼でも鼻炎や目の痒みなどを緩和できるツボがありますので、施術する際には必ず患者さんに症状の有無を確認するようにしていますmobaq 花粉症があってまだ鍼灸を受けたことのない方には、ぜひ一度お試しいただきたいですbell

明日は啓蟄

週末は寒かったですねsnow 私も自宅では着膨れていましたが、この寒さも今日、明日くらいで一区切り、今週の後半は気温が20度前後まで上がる日が続くそうですsign01

明日は二十四節気の啓蟄(けいちつ)、冬籠りしていた虫が土中から出てくるころですup 3月から4月の早春を「木の芽時」ともいいますが、人間でも冬のあいだ体の奥に籠っていたもの、滞っていたものが活発に動き始めるので、吹き出物の類が出やすい傾向にあるようです(私のヘルペスもその例でしょう)despair

しかしまだまだ3月も始まったばかり、また寒さが戻ってくる日も少なくないでしょうから、体調を崩しやすい時期ですねupdown 気温が上がっても、安易に冷たいものを飲み食いして体を冷やさないようご留意くださいpenguin

虫歯が…

一昨日、歯医者さんの6カ月検診に行ってきたら、前からあった虫歯が少し進んでおり、次回に治療することとなりましたsad ちゃんと磨いているつもりでも、歯ブラシがしっかり当たっていなかったのですねdownwardright 検診のたびに、指摘された部分は次回にはしっかり磨けているのですが、その分どこか他の箇所がおろそかになってしまうようで、なかなかパーフェクトな磨き上がりは達成できませんsweat01

ところで今日から3月tulip 気温がぐんと上がり、九州から四国、中国、関東地方で春一番が吹いたようですdash 大阪は昼過ぎから雨が降りだし、一時ものすごい勢いでしたrain 明日からまたぐっと寒くなり、冬に逆戻りのような冷え込みになるそうなので、皆さま体調管理にお気をつけくださいませjapanesetea

筋肉痛

私は20歳前から、夜寝る前にストレッチをする習慣があるのですが、ここ数年はサボりがちで、時々思い出したようにやっては筋肉痛になりますcoldsweats01 昨夜も1週間ぶりにストレッチ&筋トレ(腕立て伏せ・腹筋運動など)をやったら案の定、今日は二の腕や背筋が少し痛いですdown

体がなまっているのを実感するたびに、もっと頻繁にやらなくてはと思うものの、言うは易く行うは難し。怠け癖がこれ以上定着しないうちに、続けられる工夫を考えないといけませんねdash いい方法が見つかったら、ぜひとも患者さんにも教えてさしあげたいところですear

ヘルペスについて

おかげさまで、左あごの下にできたヘルペスは治りつつあります。それでもまだ患部が赤く熱を持っており、気になってうっかり触ってしまいそうsweat02

前回このヘルペスについて、きちんと説明していなかったので、ここで簡単に解説しましょうpencil

 

〔ヘルペス〕

どちらもヘルペスウイルスが引き起こす皮膚病で、「単純ヘルペス(単純疱疹)」と「帯状疱疹(帯状ヘルペス)」の二つに分けられ、同じような水疱状の発疹が現れますが、ウイルスの種類が異なる別々の疾患です。

◎単純ヘルペス(単純疱疹)‥‥‥昔から「熱のはな」と呼ばれてきた発疹で、子どものうちに感染していた「単純ヘルペスウイルス」の再発により発症します。身体のどの部分にも感染する可能性がありますが、多くは顔(主に口唇の周り)や性器の周辺に発症します(ほかにも種類がありますが、ここでは割愛させていただきます)。最初に皮膚が赤くなってむず痒くなったりヒリヒリしたりし、数時間後に小水疱が現れます。病気や疲労、ストレスなどが誘因となりやすく、再発を繰り返すのが特徴です。性器では性行為で感染します。

◎帯状疱疹(帯状ヘルペス)‥‥‥ほとんどの人が子どものころにかかる「水ぼうそう」のウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因となります。水ぼうそうが治った後、このウイルスは神経の根元にある神経節に潜伏し、普段は抑え込まれていますが、病気や疲労、加齢などで免疫力が低下すると活性化するのです(この過程は単純ヘルペスもほぼ同様です)。これが知覚神経を通って皮膚に出てきて、先にピリピリとした痛みが数日続き、次いで帯状に水疱が現れます。神経に沿って出るため、身体の左右どちらかに症状が現れ、また通常、一生に一度しか発症しないのが特徴です。さらに発疹が治った後も痛みだけが長期間残ることもあります(ヘルペス後神経痛)。

いずれの場合でも、早めに治療(飲み薬・塗り薬)を始めれば早く治ります。私も本当は皮膚科に行ったほうがよかったのでしょうが、時間がなく、お灸(発疹部の周囲)で済ませましたcoldsweats01

お疲れ進行?

ここ数日、蕁麻疹は落ち着いていたので回復傾向かと思っていました。が、昨夜から左のあごがかゆく、今朝見たら帯状疱疹のような発疹がポツポツと……coldsweats02 20代のころ春先によく出ていたものの、この数年は全くなかったのにdownwardright

しかし帯状疱疹なら一生に一度しかならないようなので、私の場合は単純ヘルペスと思われますsweat01 そんなに無理をしているつもりがなくても、体がSOSを出しているのでしょうかng これでは患者さんに養生指導なんてできませんね、もう少し気をつけますpaper

蕁麻疹(じんましん)について

前回を受けまして、蕁麻疹について解説いたしますpencil

現代医学的な分類は、①特発性の蕁麻疹(明らかな誘因がなく、毎日のように繰り返し症状が現れる)、②特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹(刺激が加わることにより現れる)、③特殊な蕁麻疹または蕁麻疹類似疾患、の三つに大別されるようです(日本アレルギー協会)。それぞれ細分化された病型がありますが、ここでは割愛させていただきます。

中医学では、蕁麻疹のことを「風疹(注・現在流行している感染症とは全く別物です)」「癮疹(いんしん)」などと呼びます。蕁麻疹の特徴は、突然現れて治ると跡形が残らないことなので、病勢の変化が早い風邪(ふうじゃ)が関係すること、またすぐに隠れることからの命名です。

主な原因は、風寒・風熱の邪気が肌腠(きそう=表皮や皮下組織のこと)の虚に乗じて侵入し、皮膚に鬱結(うっけつ=滞ること)するために起こります。また精神的抑うつや食生活の不摂生がある場合も、脾胃の機能が損傷し、気血が十分に作られないので、皮膚に潤いがなくなり発症します。

いずれのタイプであっても、発疹の色(鮮紅色か蒼白色か)や何が引き金になったか、前後の体調や随伴症状などにより、寒熱・虚実(2012年5月28日付ブログ参照)を判断して治療方針を立てます。しかしながら慢性の蕁麻疹は難治性のものが多いので、徐々には良くなっていきますが、完治までには時間がかかるものです。根気よく上手にコントロールしていきましょう、としか言えないのが心苦しいところですね。。。

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006