ヘルペスについて
おかげさまで、左あごの下にできたヘルペスは治りつつあります。それでもまだ患部が赤く熱を持っており、気になってうっかり触ってしまいそう
前回このヘルペスについて、きちんと説明していなかったので、ここで簡単に解説しましょう
〔ヘルペス〕
どちらもヘルペスウイルスが引き起こす皮膚病で、「単純ヘルペス(単純疱疹)」と「帯状疱疹(帯状ヘルペス)」の二つに分けられ、同じような水疱状の発疹が現れますが、ウイルスの種類が異なる別々の疾患です。
◎単純ヘルペス(単純疱疹)‥‥‥昔から「熱のはな」と呼ばれてきた発疹で、子どものうちに感染していた「単純ヘルペスウイルス」の再発により発症します。身体のどの部分にも感染する可能性がありますが、多くは顔(主に口唇の周り)や性器の周辺に発症します(ほかにも種類がありますが、ここでは割愛させていただきます)。最初に皮膚が赤くなってむず痒くなったりヒリヒリしたりし、数時間後に小水疱が現れます。病気や疲労、ストレスなどが誘因となりやすく、再発を繰り返すのが特徴です。性器では性行為で感染します。
◎帯状疱疹(帯状ヘルペス)‥‥‥ほとんどの人が子どものころにかかる「水ぼうそう」のウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因となります。水ぼうそうが治った後、このウイルスは神経の根元にある神経節に潜伏し、普段は抑え込まれていますが、病気や疲労、加齢などで免疫力が低下すると活性化するのです(この過程は単純ヘルペスもほぼ同様です)。これが知覚神経を通って皮膚に出てきて、先にピリピリとした痛みが数日続き、次いで帯状に水疱が現れます。神経に沿って出るため、身体の左右どちらかに症状が現れ、また通常、一生に一度しか発症しないのが特徴です。さらに発疹が治った後も痛みだけが長期間残ることもあります(ヘルペス後神経痛)。
いずれの場合でも、早めに治療(飲み薬・塗り薬)を始めれば早く治ります。私も本当は皮膚科に行ったほうがよかったのでしょうが、時間がなく、お灸(発疹部の周囲)で済ませました
蕁麻疹(じんましん)について
前回を受けまして、蕁麻疹について解説いたします
現代医学的な分類は、①特発性の蕁麻疹(明らかな誘因がなく、毎日のように繰り返し症状が現れる)、②特定刺激ないし負荷により皮疹を誘発することができる蕁麻疹(刺激が加わることにより現れる)、③特殊な蕁麻疹または蕁麻疹類似疾患、の三つに大別されるようです(日本アレルギー協会)。それぞれ細分化された病型がありますが、ここでは割愛させていただきます。
中医学では、蕁麻疹のことを「風疹(注・現在流行している感染症とは全く別物です)」「癮疹(いんしん)」などと呼びます。蕁麻疹の特徴は、突然現れて治ると跡形が残らないことなので、病勢の変化が早い風邪(ふうじゃ)が関係すること、またすぐに隠れることからの命名です。
主な原因は、風寒・風熱の邪気が肌腠(きそう=表皮や皮下組織のこと)の虚に乗じて侵入し、皮膚に鬱結(うっけつ=滞ること)するために起こります。また精神的抑うつや食生活の不摂生がある場合も、脾胃の機能が損傷し、気血が十分に作られないので、皮膚に潤いがなくなり発症します。
いずれのタイプであっても、発疹の色(鮮紅色か蒼白色か)や何が引き金になったか、前後の体調や随伴症状などにより、寒熱・虚実(2012年5月28日付ブログ参照)を判断して治療方針を立てます。しかしながら慢性の蕁麻疹は難治性のものが多いので、徐々には良くなっていきますが、完治までには時間がかかるものです。根気よく上手にコントロールしていきましょう、としか言えないのが心苦しいところですね。。。
【参考文献】
神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995
高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006
ややお疲れモード
今日から2月も後半に入ります。年度末が近付いている時期でもあり、また寒さもまだまだ油断できません 体調を崩しやすいときですね。
かくいう私自身も、ここ1週間ほど疲れがたまっているのか、首筋や肩などに蕁麻疹(じんましん)がちょこちょこ出ています もともと体質的に蕁麻疹が出やすいのですが、このところ頻度が高くなっていて、養生が足りないのでしょう
中医学からみた蕁麻疹について調べようと思いますが、今日はもう時間もエネルギーも不足していますので、次回に紹介させていただきます
風疹さらなる猛威
昨年6月4日付と9月9日付ブログで取り上げた風疹の流行の勢いが、いまなお衰えることを知りません。今年の1月だけで、すでに平均的な年間の患者数を超えており、大流行した昨年1月の13倍にもなるそうです。特に20代~40代の男性が多いのが特徴です。
都道府県別では東京都が突出して報告数が多く、次いで神奈川県、埼玉県が続きますが、近畿では兵庫県と大阪府が増えています。風疹は例年、春先から初夏にかけて流行するので、今後さらなる拡大が懸念されます。
風疹は飛沫感染で、咳やくしゃみでうつります。不顕性感染(感染しても発病しない)も少なくないですが、発病すると赤い発疹や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。風疹ウイルスに効く薬はなく、予防にはワクチン接種しかありません。
妊娠初期の女性が感染すると、胎児に難聴や白内障、心臓疾患などの障害が出るおそれがあり、残念ながら昨年から今年初めにかけて、この「先天性風疹症候群」の新生児が6人報告されています。風疹ワクチンは弱毒生ワクチンのため妊娠中は接種できず、妊娠前でも接種後2カ月間は確実に避妊しなければなりません。過去にワクチンを接種していても、1回では免疫が十分についていないこともあるので、妊娠を希望される方は必ず検査を受けましょう。
そして、夫や同居する家族も同様です。若年層の男性に感染が多いのは、予防接種を受けていない人が非常に多いからです。ワクチンは1回1万円程度と決して安くはありませんが、大事な家族を守るため、ぜひ接種してください。
今日は節分
昨日はずいぶん気温が上がり、春のような暖かさでしたね 明日は立春、暦の上では春になります。
昨年8月6日付ブログでも触れたとおり「節分」といえば普通、立春の前日をいいますが、立夏・立秋・立冬それぞれの前日もすべて「節分」です。季節が分かれる日ですね。
立春前の節分は特に年の変わり目として、旧年の邪気払いのため豆まきが行われます。この豆まきや、豆を年齢(数え年)の数だけ食べることによって、厄除けや1年の無病息災を願うのです。
ともあれ季節の変わり目は日々の気候の変化が大きく、体調を崩しやすい時期です。これからまた寒い日も戻ってきますし、インフルエンザも全国的に警報レベルに達していますので、豆をまいて病という邪気を撃退したいものです
インフルエンザ流行拡大
前々回のブログで、大阪府がインフルエンザ注意報を発令したとお伝えしましたが、東京都では医療機関当たりの患者数が41.3人となり「流行警報」が出ました。大阪市でも、すでに西部(福島、此花、西、港、大正、西淀川)では警報レベルを超え、学級閉鎖も増加しているようで、ますます感染予防対策に力を入れる必要があります。
インフルエンザは症状のない「不顕性感染」や、かぜのような症状だけの軽症例もしばしば見られ、気づかないうちに感染が広がってしまうことがあります。咳エチケットや手洗い、うがいを徹底しましょう
インフルエンザ注意報
きのう24日、大阪府がインフルエンザ注意報を発令しました 府内307カ所の定点医療機関(※)で14日から20日の間に3630人がインフルエンザと診断され、定点当たりの報告数が11.82人となったためです(10人が「注意報」、30人が「警報」の基準値)。今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があるので、感染予防に留意が必要です。
過去10年間で最悪の流行だった昨冬の同時期に比べると半分以下の患者数だそうですが、今後広がる恐れもあるようです。なるべく人ごみは避け、外出から帰ったら手洗いやうがいを徹底し、疑わしい症状が出たらマスクを着用しましょう。日頃から疲れをためないようにすることも大切です(なかなか難しいですが…)
※ 府全体の感染症の発生状況を把握するため、人口及び医療機関の分布等を勘案して無作為に選定した医療機関。インフルエンザの場合、定点医療機関は、1週間の患者発生数を府等に報告する。