健康

冬の食養生

冬の気候の特徴は、言うまでもなく「」です(12月3日付ブログ参照)。五行ではに属し、対応する五臓は(9月1日付ブログ参照)です。

そのため冬の養生の原則は「体を温め腎を養う」ことです。食品は温熱性のものが良く、寒涼性のものは避けましょう。栗やクルミ、ニラ、エビのむき身、羊肉などが腎陽を温め補う作用があり、さらにゴマや黒豆で腎精や髄を補充できます。これらも含めて、この時季に適した食物を挙げましょう。

 

〔冬に食べるとよい物〕 品目(五性/五味) ※五性・五味には文献により多少の異同があります。

ニラ(温/〈生〉辛、〈加熱〉甘・酸)、ニンニク(温/辛)、ネギ(温・平/辛)、生姜(温/辛)、クルミ(温・熱/甘)、栗(温/甘)、黒ゴマ(平/甘)、黒豆(平/甘)、黒キクラゲ(平/甘)、羊肉(温・熱/甘)、エビ(温/甘)

冒頭で触れたように、冬は五行の水に属し、五臓では腎が対応しますが、五色(青・赤・黄・白・黒)では黒が配当されます。そのため黒ゴマや黒豆、黒キクラゲなど黒い食品は腎に効果があると考えられています。腎は成長や老化に深く関わる臓ですので、黒い食品を積極的に取るとアンチエイジングにも役立つようですclover

 

【参考文献】

  梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

  夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006

今日は大寒

今日は二十四節気の「大寒」でしたsnow それでも日中は比較的暖かくなり、つい気が緩みそうですが、これから立春にかけては寒さがいちばん厳しくなる時季ですbearing

インフルエンザも流行しており、健康を保つには防寒とともに睡眠や食事など、日頃の養生がより大切になりますspa そこで次回は、冬の食養生についてご紹介いたしますsoon

眼科受診

今日は3ヵ月ごとのコンタクト購入に伴う眼科の検査を受けましたeye(祝日も診察している眼科です)

前回は角膜に傷が付いているとのことで、目薬をもっと頻回に差すよう指示され、いくらか回数は増やしていたのですが、やはり治っているか多少不安でしたdespair

しかし今日は特に問題なしで、ホッとした次第ですgood 先週からのかぜもまだ少し残っており、体調がスッキリしない中、目だけは健康で気分がちょっと上向きにup

そうそう、昨秋から使い始めたPCメガネ(10月14日付ブログ参照)も、掛けているとパソコン使用中の目のショボショボ感が軽減されるように思いますeyeglass パソコン以外にも携帯やスマホなど、ディスプレー上の画像や細かい文字を見ることが多い昨今、皆さまも目の使い過ぎにご注意をclover

小豆の効能

今日は鏡開きで、お昼に鏡餅を神棚から下ろして、お汁粉にして頂きましたdelicious

そこで今回は、このお汁粉に使われる「小豆」の効能を、新年1回目の中医学的食養生として解説いたしますpencil

 

〔小豆/赤小豆(セキショウズ)〕

性味は平性、甘・酸味。

効能は、利水消腫(利尿作用がありむくみを解消する)、解毒排膿(体の内外の毒素を消し膿を排出させる)、寛腸理気(腸を緩やかにして気の停滞を通行させる)、調経通乳(月経不順を治したり産後の母乳の出を良くする)など。

主な適応症は、むくみ(とくに腎炎や栄養不良によるもの)、月経不順、痔出血、虫垂炎の腹痛、下痢、産後母乳の出が悪い、じんましんなど。

栄養学的にはリンが多いです。リンはカルシウムや鉄分の吸収を妨げやすいので、ホウレンソウやレバーなどと一緒に食べないよう気をつけてください。

また利尿作用が強いので、やせて体内の水分が少ない人(のどがよく渇いたり肌が乾燥している人)や、もともと頻尿の人は食べないほうがよいです。豆類は消化もしにくいので、消化不良のある人も控えめにしましょう。

【参考文献】

  梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

  夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006  

RSウイルスも猛威

現在、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行していますが、10月17日付の当ブログで取り上げたRSウイルスも、その勢いが衰えることなく猛威を振るっています。患者数が過去の同時期と比べて最多の状態が続いているそうです。しかし、なぜ増えているのか原因は明らかになっていません。

特に注意が必要なのは重症化しやすい乳幼児ですが、高齢者でも集団発生の恐れがあり警戒が必要とのことです。ノロウイルスと同様、ワクチンも特効薬もありませんので、感染しないように日頃から注意することが大切です。

感染経路は飛沫感染(咳やくしゃみなどで飛び散るしぶきを浴びて吸い込む)と接触感染(感染者との直接の濃厚接触や、ウイルスの付いた手指や物品を触ったりなめたりする)で、ノロウイルスや結核のように空気感染することはありません。感染予防のためには、咳やくしゃみが出る人は必ずマスクをすること、帰宅時や食事の前には入念に手洗いすること、小さな子どもがいる家庭は、日常的に触れるおもちゃや手すり、ドアノブなどの消毒もこまめにすること、などが挙げられます。

軽いかぜ程度の症状でも、RSウイルス感染症である可能性があります。大げさと思わず、他人にうつすことのないよう「咳エチケット」には気をつけたいですね。

笑い納め

今日はお休みなので、天満天神繁昌亭へ落語を聴きに行きましたhappy01 年内はこれが最後(の予定)、いい「笑い納め」になりましたnote

日々いろいろなことがありますが、数時間だけでもそれらを忘れて楽しく過ごすと、心身のリフレッシュになりますねshine 来週は治療所の大掃除をしなければなりません、こちらも頑張ってリフレッシュsign01

お酒の効能

今年も残り半月、忘年会シーズンですねbeer 年が明ければ新年会もあり、お酒を飲む機会が増える時期ですupwardright 最近はノンアルコール飲料も種類が増え、飲まない人・飲めない人も宴席をより自然に楽しめるようになってきましたcherry

飲めない人が無理に飲まされたり、飲める人でも適量を超えたりということはもちろん良くありませんが、楽しく飲める範囲ならばお酒は「百薬の長」、心身の健康に役立つものですbottle

 

中医学の食養生では一般の性味を、温・熱性、甘・苦・辛味としており、その効能は散寒祛風(寒気を駆除し風邪〈ふうじゃ〉を消し去る)、温陽活血(体を温め血行を促す)、舒筋活絡(筋肉を緩め経絡を通じさせる)、利脈止痛(血流を良くして痛みを止める)などです。また体の緊張を解くことによって、精神的にもリラックスできます。

お酒の種類によっても、少しずつ性味や効能に違いがあります。以下に大まかな解説をしましょうdown

〔ビール〕 涼(平)性、苦・甘味。健胃消食(食欲を促し消化力を高める)、清熱解暑(体にこもった余分な熱を冷まし暑気当たりを解消する)、利湿(利尿作用)、強心(心臓の働きを強める)など。

〔日本清酒〕 温性、甘・苦・辛味。活血散瘀(血行を良くし滞りを解消する)、止渇除煩(のどの渇きを止めストレスを除く)など。

〔ワイン〕 熱性、甘・辛・渋味。暖腰腎(腎を暖め腰痛を収める)、駐顔(老化を防止する)、耐寒(寒さに耐える力をつける)など。近年、ポリフェノールで注目されていますね。

〔焼酎〕 温性、辛・甘味。調胃(冷えた胃の機能を回復する)、散寒、和血通経(血行を促し生理不順を解消)、舒筋活血など。

〔紹興酒(黄酒)〕 温・熱性、辛・苦・甘・酸味。温通気血(体を温めて気血を通じさせる)、健胃消食、舒筋活血、安神強心(精神を安定させ心臓の機能を強化する)、養血美顔(血液の生成を促進し顔色を良くする)など。

 【参考文献】

  梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

  夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006 

 

このように見ると、やはりビールは夏のもので、冬でも「とりあえずビール」というのは控えたほうがよさそうですねcoldsweats01 またこれらの効能は適量の場合であって、くれぐれも飲みすぎて健康を損なうことのないよう、上手に付き合いましょうwine

ノロウイルスますます要注意

先月末に当ブログで取り上げましたノロウイルス、今年は遺伝子変異型が全国で検出されているそうです。

このタイプには免疫をもたない人が多いとみられるため、流行が拡大するおそれがあります。過去10年間で最も流行が大きかった2006(平成18)年では遺伝子変異が流行の原因になったとされていて、今年も十分に注意しなければなりません。

繰り返しますが、予防には手洗いが何より大事です。帰宅した時や食事および料理の前、トイレの後など、入念に手洗いをしましょう。また加熱が必要な食品は、しっかりと火を通してから食べるようにしましょう。

てくてく歩き

昨日は鶴橋に用事があり、電車に乗るほどでもないなと思って、森ノ宮から二駅分てくてく歩いて行きましたshoe

片道20分余り、夏なら汗だくでしょうがないところですが、冬は体が温まっていいですねhappy01

時間に少し余裕があるときは、なるべく歩くようにすると健康にもいいですし、節約・省エネにもなり、一石二鳥・三鳥でオススメですup

寒邪について

12月に入るなりぐっと冷え込んで、気候が一気に冬本番になりましたsnow 今日は日中暖かくなりましたが、この冬は例年より寒くなるようで、今からしっかり防寒対策をしておかなければなりませんねspa

以前取り上げたことのある「六淫」(風・寒・暑・湿・燥・火、6月8日付ブログ参照)のうち、今の時季に主となるものは、言うまでもありませんが「寒邪」です。ふだん私たちが生活の中で感じる「寒さ」とほぼ同じ感覚で捉えていただけるものですが、中医学独自の考え方もあります。

寒邪は人体の陽気を損傷して、その働きを低下させ、気に伴って血も滞るため、「気滞血瘀(きたいけつお)」という状態になりがちです。9月25日付「頭痛の分類(東洋医学編)」でも触れた「不通則痛」、通じなければ痛みが生じるという法則により、寒邪に侵襲されると体のどこかに痛みが出現したり、筋肉のひきつりが起こったりします。六淫のなかで、疼痛疾患にもっとも関連が深いのが寒なのです。

なお寒邪による痛みは、温めると軽くなり冷やすとひどくなるという特徴がありますので、そのような場合は当然、冷やさないように気をつけてくださいjapanesetea

【参考文献】

 神戸中医学研究会(編著):基礎中医学,燎原,1995

 高金亮(監修),劉桂平・孟静岩(主編):中医基本用語辞典,東洋学術出版社,2006