健康

ノロウイルスにご注意

ここ数日、テレビのニュースや新聞でも報道されているのでご存じの方も多いと思いますが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行し始めているようです。今年は過去10年間で最も流行した2006(平成18)年に次ぐペースで患者が増加しており、特に九州と関西で多い傾向とのこと。例年、12月初旬から年末にピークとなるので、今後一層の注意が必要です。

ノロウイルスは冬に多発する食中毒の原因として知られますが、ヒトからヒトへの感染も多く、徹底した手洗いが第一の予防策となります。感染者の糞便や嘔吐物を直接触った場合はもちろんのこと、感染しても症状が出ない場合もあるので、トイレの後の手洗いも念入りに行いましょう。感染者の糞便や嘔吐物からウイルスが飛散し、空気感染することもあるため、それらに接触した衣服や寝具、家具などもしっかりと洗浄、消毒する必要があります。

感染すると24~48時間の潜伏期間があり、発症すると軽度の発熱と嘔吐や下痢が起こり、脱水症状のおそれもあります。通常は1、2日で治まりますが、免疫力の低下した高齢者や乳幼児では長引くこともあり、吐いた物をのどに詰まらせて窒息したり、気管に流入して誤嚥性肺炎を起こしたりして死亡する例も報告されています。

ノロウイルスについてはワクチンがなく、発症した場合の治療は対症療法に限られます。予防のためには、貝類(とくにカキ)は十分に加熱してから食べること、繰り返しになりますがトイレの後、食事の前や調理の前にはせっけんで手洗いをしっかり行うことです。

今季はRSウイルスやマイコプラズマ肺炎など、感染症がいくつも流行しています。皆様どうぞお気をつけくださいませ。

祇園でうなぎ料理

祇園.JPG昨夜は京都・祇園で、十数年来ひいきにしている歌舞伎役者さんのお食事会へ行ってきましたshine 朝からあいにくの雨でしたが、京都に着いたころには幸いほぼ止んでいましたsprinkle      〔写真は花見小路の入口→〕

会場は「江戸前うなぎと京おばん菜割烹」のお店で、久々に贅沢をいたしましたcoldsweats01 秋の土用(立冬の前の18日間)も過ぎ、丑の日でもありませんが、うなぎは精がつくので、かぜの治りかけには持って来いかもしれません。ここで、うなぎの食養的知識を。

 

〔鰻〕

性味は平(微寒)性、甘味。

効能は、補虚益血(気血を滋養する)、祛風湿(足腰の重い痛み・しびれに効く)。

主な適応症は、羸痩(るいそう=疲れてやせること)、肺炎や肺結核による空咳、煩躁(はんそう=情緒不安定でイライラすること)、食欲不振、神経衰弱など。

栄養学的にはタンパク質、脂肪、カルシウム、ビタミンA・D、DHA、EPAなどが豊富です。カルシウムとビタミンDは骨粗鬆症の予防に、ビタミンAは視力の改善やかぜ予防に、DHAとEPAは動脈硬化の予防にそれぞれ役立ちます。

栄養は豊富ですが消化しにくいため、胃腸が弱い人や消化不良を起こしている時は控えめにしましょう。タンパク質が多いので、腎臓の働きが低下している人も控えたほうがよいです。また胎児の障害を引き起こす恐れがあるため、妊婦の人は食べないようにしてください。

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食養大全,上海科学技術出版社,2006

 

やはりたまにしか食べないようなものは、ほどほどが良いようですね。今日からまた普段どおりの粗食に戻りますriceball

のど痛

昨日から軽い咽頭痛、いわゆる「のどかぜ」になってしまいましたdownwardright 朝晩冷えたり、雑事を詰め込みすぎて疲れが出たようです。

自分でお灸をして、今夜は体が温まる物を食べて早めに寝るとしましょう(一応そのつもり…)night かぜの時は睡眠が一番の薬ですsleepy

皆さまもどうぞご自愛くださいませjapanesetea

仮眠・睡眠

このところ用事が立て込んで寝不足気味だったせいか、今日は昼下がりに居眠りをしてしまいましたgawk 近年の研究で、15~20分程度の昼の仮眠は午後の作業効率を高め、健康にも良いといわれていますが、私は30分以上うとうと。。。でもスッキリしましたup

中医学では、睡眠にもっとも重要な役割を果たす臓腑はですheart01 ほかにも肝や脾、腎などもかかわってきますが、最終的には心の状態が睡眠の質の良しあしを決定します。これまで肝・脾(・胃)・腎・肺と解説してきましたが、五臓のうち残る一つ「心」について、次回ご紹介いたしますsoon

マイコプラズマ肺炎

11月に入った途端、冬のような寒さですねbearing 寒くなるとかぜ引きの人が増え、普通のかぜと間違えやすい感染症も流行します。

先月はRSウイルスについて書きました(10月17日付)が、今年はマイコプラズマ肺炎も大流行しているようです。昨年の11月には、天皇陛下もこの細菌による気管支炎で入院されました。その大流行だった昨年1年間の患者数を、今年はすでに超えており、過去最高とのことです。例年は12月から1月ごろがピークで、RSウイルスと同じく今年は早くから流行しており、今後ますます注意が必要です。

主な症状は発熱や頭痛、乾いた咳(痰はほとんど出ない)で、特に咳は激しく、夜眠れないほどひどくなることも。この咳は熱が下がった後も3~4週間続きます。予防薬はなく、治療には抗菌薬を使いますが、従来の薬が効かない耐性菌が増えており、このことが大流行の一因とも考えられています。

マイコプラズマ肺炎は子どもがかかることが多いですが、大人も感染することがあり、多くの場合は一般的な肺炎に比べ全身状態が悪くないため、咳やくしゃみで知らず知らず広げてしまう恐れがあります。マイコプラズマはせっけんや加熱に弱いので、他の感染症と同様に手洗いやうがい、食材の加熱などの対策が有効です。また外出時には咳エチケットを心がけましょうpaper

血液検査

先日、2年半ぶりに血液検査を受けましたhospital クリニックに勤めていたころは定期的に健診を受けられたのですが、開業してからは自主的に病院へ行かないといけないので、しばらく間が空いてしまいました。

結果は、アレルギーに関係するIgE(RIST)が少し高かった程度で、他の一般的な検査項目はすべて基準値内でしたgood

何もないだろうとは思いつつ、自覚症状がはっきり出ない病気もありますので(検査数値に出ないものもありますが…)、こうして調べてもらうと一安心ですjapanesetea

秋の食養生

今日は秋の土用入りですmaple 8月6日付ブログでも書きましたが、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前18日間が土用ですので、今日から18日後には立冬……早いですね~dash

さて、夏の食養生(7月9日付)と同様、秋の食養生もご紹介したいと思います。中医学では秋の気候の特徴は「燥」、つまり乾燥とされていますが、日本の場合は「秋の長雨」(秋雨前線)や台風シーズンとも重なるので、大陸とはやや異なります。しかしながら、夏に比べればぐっと湿度が下がっていますので、やはり乾燥対策は必要です。

秋は五行では、対応する五臓は(10月2日付)ですので、体の中でも特に呼吸器や皮膚への乾燥対策が中心となります。そのため秋の食養生の原則は「肺を滋養し、津液を増やして体を潤す」ことです。代表的な食物を以下に挙げます。 

 

〔秋に食べるとよい物〕 品目(五性/五味)  ※五性・五味には文献により多少の異同があります。

ピーナツ(平/甘)、ギンナン(平/甘・苦・渋)、松の実(微温/甘)、ヤマノイモ(平/甘)、サツマイモ(平/甘)、ニンジン(微温・平/甘・苦)、ダイコン(涼・平/辛〈生〉・甘〈加熱〉)、ホウレンソウ(涼/甘)、ハクサイ(涼・平/甘)、ノリ(寒/甘・鹹)、アンズ(温/酸・甘)、カリン(平/酸・渋)、ブドウ(平/甘・酸)、ミカン(平/甘・酸)、ユズ(寒/甘・酸)、イチジク(平/甘)、レモン(平/酸・甘)、ビワ(平・微涼/甘・酸)、ナシ(涼・寒/甘・微酸)、柿(寒/甘・渋)

特にピーナツや松の実、アンズ、ナシなどは空咳に効きます。果物はのどの渇きを潤す作用があり、基本的に旬のものを選ぶとよいですが、寒性のものは食べすぎると体を冷やしますので、適度に取りましょうapple

 

【参考文献】

 梁晨千鶴(著):東方栄養新書,メディカルユーコン,2005

 夏翔・施杞(主編),丁鈺熊・銭永益・趙陽(副主編):中国食療大全,上海科学技術出版社,2006 

RSウイルス

このところ「RSウイルス(respiratory syncytial virus)感染症」が流行しています。これは乳児がかかると肺炎や気管支炎など重症化しやすく、インフルエンザ並みに警戒を要する感染症です。今年は例年より早く流行が始まっており、今月7日までの1週間の患者数が、統計を取り始めた平成15年以降で最悪の多さで、去年の同時期の2.5倍にもなるそうです。

RSウイルス感染症の流行は例年12月ごろにピークとなるので、今後もさらに広がっていくと思われます。症状は発熱、鼻水、せきなど、かぜやインフルエンザとあまり変わりませんが、治療薬がなく対症療法が中心となるため、何より予防が肝心です。

RSウイルスは、2歳までにほぼすべての乳幼児が感染するありふれた呼吸器感染症です。成長すると軽い鼻かぜ程度で済みますが、0歳児や基礎疾患がある子供が感染すると重症化する恐れがあります。とくに初感染では、肺炎や脳炎を起こすこともあります。

家庭に乳幼児がいる人や、接する機会の多い人は、かぜの症状があれば手洗いを徹底し、マスクの着用も忘れずにしましょう。大阪府は現在、東京都、福岡県に続いて3番目に患者数が 多く、他人事と思わないことが大切です。

実は私自身も生後1ヵ月のころ(12月)、RSウイルスが原因と思しき肺炎を起こし、一時は命も危ぶまれたそうです。助かったことに感謝し、今後は自分が感染源にならないよう心しますhospital

ブルーライト

__.JPG……ヨコハマkaraokeという歌謡曲がありましたが、それではございません。メガネのお話ですeyeglass

ふだんコンタクトレンズを着けているうえ、パソコンも毎日使っているため、どうしても目が疲れます。ツボ押しも良いのですが、未然に少しでも予防できないかと思い、このほど「PCメガネ」を購入しましたpc

このところ徐々に普及してきているので、ご存じの方も多いと思いますが、これはパソコンやスマートフォンなどのLED液晶画面から出る「ブルーライト(青色光)」を遮断して、目の疲れを軽減してくれるものです。

このブルーライトとは、可視光線の中で最も波長が短く(=エネルギーが高く)紫外線に近い強さの光で、眼球の角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで届くそうです。また太陽光にも含まれていることから、夜にブルーライトを多く浴びてしまうと体内時計が狂い、不眠の原因にもなります。夜遅くにテレビを見たりパソコンを使ったりすると、寝つきが悪くなるのはこのためです。

パソコン使用に伴う疲れ目や肩こり、頭痛といった症状は、室内の照明や画面を見る角度、姿勢など他の要因も絡み合いますが、まずこのPCメガネでどこまで改善できるか、自分の体で実験してみますeye

秋の花粉症

今日は二十四節気の寒露、野草に冷たい露が宿るころです(今年は体育の日でもありますが、個人的には特に縁がありません…shoe)。朝晩肌寒く感じる日も増えてきて、かぜ気味の人も出てきていることでしょう。けれども、中には花粉症である可能性もあります。

夏から秋にかけて花粉症の原因となるのは、「草本(そうほん)花粉」といわれるイネ科(ススキ・カモガヤ・オオアワガエリなど)やキク科(ヨモギ・ブタクサ・セイタカアワダチソウ・コスモスなど)、クワ科(カナムグラ)、イラクサ科(イラクサ)などの花粉です。これらの植物は道端や空き地、公園など身近な場所に生えていて、日本全国に分布しています。

花粉症の主な症状は、水っぽい鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどで、特に晴れた日にひどくなります。かぜであれば鼻水が黄色で粘っこく、比較的高い熱が出たり、食欲が落ちたりし、目のかゆみや天候による症状の変化はありません。

春の花粉症と同様、秋の場合も一度発症すると毎年悩まされることになりますが、春のほうの原因となるスギやヒノキと違い、秋の草本花粉は飛散する範囲が数十メートルと狭いので、河川敷や雑草の多い場所をなるべく避け、マスクやメガネなどで防御しましょう。もともと春の花粉症や気管支喘息などのアレルギー症状がある人は、特に注意が必要です。